2018年の転職求人倍率は?最新情報から「転職市場」の動向を予測するヒント

スマホを操作する女性の手元

新卒は大体同じタイミングで就職活動がスタートしますが、第二新卒の転職のタイミングは当然バラバラで、「今って求人少ない?」「数ヶ月様子を見るべき?」など、動き出す時期を伺っている方も多いはずです。

この記事では、2018年8月に発表されたデータをもとに、2018年の転職市場の傾向を考察していきます。

「転職求人倍率」の定義とは

履歴書と月ごとのグラフ
最初に、当記事における「転職求人倍率」「求人広告数」「転職希望者数」の定義についてご説明します。

今回は転職サービスDODAが公開しているデータを参考としているため、定義についても同サイトより引用させて頂きます。

転職求人倍率の定義
「転職求人倍率」は、DODAエージェントサービスの登録者1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値です(小数第三位を四捨五入)。

【算出式】転職求人倍率=求人数(採用予定人数)÷転職希望者数

【求人数】①当月中に新たに登録された新規求人数(採用予定人数)と、②前月からの繰越求人数(採用予定人数)の合算。

【転職希望者数】 ③当月中に新たに登録した新規登録者数と、 ④前月から継続登録している繰越登録者のうち当月1件以上の求人に応募した登録者の数を合算。

(引用元:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

第二新卒の方が各メディアの調査データを参考にする際は、上記のような算出式や調査対象などの欄もしっかり目を通しておくことをお勧めします。

調査対象者が「転職希望者」だけでなく、「アルバイト」「新卒」などを含むものである場合、調査結果も大きく変わります。

求人に関するデータは各メディアでたくさん公開されているため、調査対象が自身に近い存在であるか(年齢・時期・経歴など)確認し、また各項目の定義を正しく理解した上で、自分の転職に役立つ情報を精査して行きましょう。

2018年7月の転職求人倍率は2.25倍!これって高い?低い?

2018年7月の求人倍率・求人広告数・転職希望者数の図
(参考:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)
  • 求人倍率は前月比、前年月比ともにポイント減
  • 求人広告数は例年通り、7月で減少
  • 転職希望者数のみ前月比、前年同月比ともに増加

2018年7月の転職求人倍率は2.25倍で、前月比・前年同月比ともにポイント減という結果になりました。昨年と比較して求人広告数が増えた一方で、転職希望者も増加傾向にあるため求人倍率も伸び悩んでいる印象です。

上記は“2018年7月”を基準にまとめているため転職求人倍率の低下が目立ちますが、同項目(求人倍率・求人広告数・転職希望者数)の推移を年間で見ると、悲観的になる必要がないことがわかります。

過去4年間の求人倍率の推移

過去4年間の求人倍率の推移の図
(画像引用:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)

上記グラフは2014年4月から2018年7月までという長期間の推移をまとめたものであり、長いスパンで見ると“前月比・前年同月比のみ”を見た場合とは違った傾向が読み取れます。

まず求人広告数と転職希望者数は年々増加し続けていること、また求人倍率の変動にはある程度規則性があること、この2点が目立っていますね。

「求人広告数」の推移から見る転職市場

鞄を持つスーツ姿の女性
過去4年間の増加傾向を見た場合、転職市場における売り手市場は今後もしばらくキープされることが予想されます。

転職希望者数も増加傾向にあることから求人倍率の変動は大きくないため、良くも悪くも転職市場の動きはさらに活発になることでしょう。

実際、グラフ内の求人倍率は2〜3倍を前後しており、過去4年間で2倍を下回った年はありません。

「求人倍率」のサイクルから見る転職市場

カレンダーとペン
「求人倍率は過去4年間で2〜3倍を前後している」と触れましたが、注目すべきは最高値と最低値が毎年どの月に訪れているかと言う点です。

求人倍率が抜きん出て上がっているのは毎年12月、それに対して最低値は6月または7月であるケースが多いことがわかります。

求人倍率のサイクルを知っておけば、退職のタイミングや転職のための準備期間の使い方といった計画も立てやすくなるはずです。

業種別に見る「転職求人倍率」の推移

業種別に見た「転職求人倍率」の推移の図
(参考:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/data/index.html#con02)

全体の求人倍率を把握した上で、今度は業種毎の7月の求人倍率を見ていきます。

一目で分かるように、求人倍率は業種毎に大きく差が出ます。

7月は求人倍率が低い、とは言っても、「IT・通信」業にのみ着目すれば5倍を上回っており、逆に「商社/流通」「小売/外食」は1倍にも達していません。

各業界の特質上そこまで意外な結果ではないかもしれませんが、希望業種が明確に決まっている方にとって、このグラフのインパクトは非常に強いことでしょう。

業種によっては「転職求人倍率」が上がるタイミングに差が出る?

業種別の年間求人倍率の推移の図
(参考:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/data/index.html#con02)

最後に、業種別の求人倍率の推移も年間で振り返っていきます。「その他」を除くと、ほぼ全業種の求人倍率が12月にピークとなっています。

全体で求人倍率の推移を見たときには7月の下降が目立ちましたが、求人倍率が最も低くなる月には差が見られるようで、大きく「7月」「10月」の2グループに分けられます。

7月、10月ともに求人倍率が下がる業種が多い一方で、「メーカー」などのように7月に目立った下降が見られない業種もあるため、希望職種の倍率のサイクルは一度チェックしておいたほうが良いでしょう。

まとめ

笑顔を見せる女性

求人広告数と比例して転職希望者も年々増え続けているので、第二新卒は市場の動向を随時読み、自身の希望に近い求人を的確に見つける力を養っていく必要があります。

“より多くの企業が求人を出す”わけですから、転職希望者は“求人の内容をより正確に見極め”、その内定枠を勝ち取るために“より早く行動”しなければいけない、ということです。

転職活動におけるスピード感と正確さの両立は非常に難しいので、サポートに特化した転職エージェントの利用者が年々増えていることにも納得です。