厚生労働省が平成26年に行った調査によると、新卒の高卒40%以上、大卒の30%以上が入社から3年以内に離職していることが分かりました。これが意味をしていることはどういうことなのでしょうか。退職者に対する厳しい意見が多くありますが、本当に離職者だけの問題なのでしょうか。
とくに気になるのが、新卒3カ月での退職者。試用期間中の離職は、果たして転職に不利になるのでしょうか。転職サービスの充実で、転職事情がいい方向へ変わってきています。
この記事の目次
新卒は本当に「ゴールドパス」なのか?
新卒に限らずに、日本の企業文化では、辞めた人間が悪いという風潮があります。「逃げた」、「根性がない」、「自分のことしか考えていない」など、否定的です。
企業寄りの意見ばかりですが、新卒者からすると、ハローワークや学校で見付けた求人内容と「労働環境がまるっきり違った」、「研修がろくにない」、「パワハラが横行している」など、実際に入社してみないと分かりません。入社して初めて分かることがほとんどと言えるでしょう。
新卒の気持ちを無視する会社が多い
長年、働いている社員の感覚は麻痺していることが多く、意見は参考になりにくいと言えますが、入社した会社の状況を冷静に見ることができる新入社員は、「朝起きるのがきつい」、「早く家に帰りたい」など甘えた考えなど一切なくても、「仕事内容が社会的に問題だ」、「宗教的で上司が絶対すぎる」、「あまりにも理不尽だ」などおかしな点に疲弊することが少なくありません。
学生気分を捨て、社会人として覚悟を決めていても、初心を忘れて、新入社員の気持ちを無視して、一方的に会社の理屈を押し付けてこられては、納得して働くことはできません。
新卒で掴んだゴールドパスにしがみつくな!
しかし、せっかく苦労をして新卒採用で入社したのだからと無理やり理性を押し殺していても、体は会社に行くのを拒んでいませんか。親や上司に相談をしても、答えは決まっています。
「辞めてどうするの?」
新卒で手に入れた、総合職としてのゴールドパスに必死にしがみ付いても、自分の体に嘘を付くことはできません。度重なる残業や代休のない休日出勤で、休みを取れていない状況だと、まともに思考することができなくなります。過労死がなぜ起きるのでしょうか。日本では、これほどまでに自殺者が多いのでしょうか。
冷静に考えれば、体を壊す、病気になるぐらいならば、退職すればいいだけですが、まともに思考できくなり、唯一できることは、「この世から去る」ことしか考えられない恐ろしいほど追い込まれた状況になっているからです。
高卒の40%以上、大卒の30%以上が3年以内に退職する日本で、その後の人生を詰む人はどれほどいますか。新卒3カ月以内で自分に甘えがないと思えるならば、転職はプラスに変えることができる時代。「学校を卒業したら新卒で大企業に就職をして退職まで働く」ことは、生き方の1つでしょう。しかし、人生の正解は1つと思い込むのは危険です。
新卒3カ月以内の退職者が退職理由として挙げること
新卒で早期の転職を検討するということは、世間で言われるブラック企業に就職したと考えているのでしょう。新卒3ヵ月で退職する人の退職理由とは主に以下の通りです。
- 長時間労働。
- パワハラ。
- モラハラ。
- セクハラ。
- 経営者一族による社会主義のような体制。
- 社員を守らない、人材の使い捨て。
- 極端な思想で体を壊しても働かされる。
- 休日出勤、残業でプライベートの時間がほとんどない。
- 代休、有給休暇の取得ができない。
- 何十年勤めても昇給がほとんどない。
- 過労死、または、自殺に追い込まれる。
などが考えられます。法治国家の日本で大変問題な企業活動ですが、過労死や自殺など命が失われるほどの悲劇が起こらないと取り締まりが行われにくいので、残念ながらブラック企業の根絶やしはできないでしょう。
新卒3ヵ月以内の退職でも転職を成功させるにはブラック企業を避ける
しかし、ブラック企業を避けるニーズが高まってきています。離職率など、開示されている情報を読み取りながら、エージェントのいる転職サイトを活用して自分の身は自分で守るべきです。また、ブラック企業を避ける方法としては、求人にコストをかけているかどうかも重要です。
掲載無料のハローワークのみや広告費の安い求人誌ではなく、莫大なコストをかけて「エージェントがいる転職サイト」で求人を掲載している企業は、人材にかかる経費を惜しみません。コストと時間がかかっても社員教育の重要性を理解して、社員を大切にしてくれると言えるでしょう。
新卒3カ月のリスクは、少なからずに否定はできません。ネットで安心できる書き込みを探しても、実際問題、企業に「また、すぐ辞めるのでは」など思われる可能性を否定できないので、意味がありません。
しかし、企業側も早期で離職する人を想定済みで、這い上がってくる人材を求めている場合も少なくありません。
また、大企業に就職した人は、世間体など気になるかもしれませんが、精神や体に不調がある場合は、命の危険につながります。有名企業だからホワイトなど幻想だと割り切って、明るい人生のために前に進むべきです。
肝心なことは、いかに「すぐに辞めない人材」であるかをアピールできるかどうかです。クリアできれば、志望動機で挽回できます。転職エージェントに何でも正直に話し、相談していくことで、求人のみの情報サイトにはない有利な転職活動を行っていきましょう。一度就職していても、企業によっては、第二新卒として採用する場合があります。新卒3カ月以内の転職は、リスクが少なからずありますが、転職エージェントを活用することでメリットの方が大きくなります。
新卒から3カ月以内退職者の転職の難易度
新卒の就職活動より、難易度が高いと言われている転職ですが、確かに、新卒の時期より労働市場の人材が少ない分、企業側が1人に掛ける時間は多くなり、社会人経験のある30代の求職者とキャリアや能力を比較されます。
新卒3ヵ月以内の退職者は転職エージェントを複数利用することで転職難易度が下がる!
ハローワーク、求人誌、求人のみ掲載のサイトで転職先を探すことができますが、30代や40代の社会人経験者と同じ土俵で競争するよりも、総合サイト、特定の業種や第二新卒、年齢層など自分に合った「転職エージェント」を複数利用することで、難易度が格段に低くなります。
転職エージェントといえば、リクナビ、マイナビのイメージかもしれませんが、多くの特徴を持ったサイトが増えています。
利用することで、
- 面接対策。
- 応募書類対策。
- 転職活動の疑問・不安の解消。
- 内定後などの各種フォロー。
- キャリアプランニング。
- 優良求人の紹介。
など、わずか1~3分程度の登録で、プロの転職エージェントから無料でサポートを受けることができます。ハローワークや求人誌には絶対に掲載されない、ホワイト企業の求人を見付けることもできます。自力で全て行う転職活動は、難易度が非常に高いと言えますが、転職エージェントのサポートを受けることで、はるかに楽にスムーズに活動できます。
とくに、第二新卒の採用が売り手市場です。常に人材不足の層にあたる年齢層で、もっとも熱い労働市場と言われています。企業によっては、転職では第二新卒にあたらない場合もありますが、「ほしい世代」であり、「育てやすい」として求められています。複数の転職エージェントに登録することで、さらに成功へのチャンスが広がります。
まとめ
長い人生で立ち止まることは誰しもあります。転職しない人は少数と言える時代です。劣悪な労働環境では、まともに思考できなくなり、最悪の事態を招く恐れがあります。体を壊す危険性があります。新卒で試用期間中に退職でもしたら、人生が終わると思うかもしれませんが、人生の正解は1つではないので、恐れる必要はありません。
それよりも、体を大切にしてください。
団塊世代の大量退職で労働市場は売り手です。しかし、新卒から3カ月以内の退職者の転職の難易度は高いと言えます。難易度をグッと下げてくれる、「エージェントのいる転職サイト」に複数登録して転職活動を断然、有利に進めていきましょう。