この記事は“転職の希望条件が浮かばない”という方にもぜひ読んで頂きたいテーマです。
給与などの待遇、人間関係、仕事のやりがい……。転職活動を始めたのは、次の職場で何かを得たいと思っての行動ですよね。
だから「転職で失敗したくない!」「次の職場で後悔しないかな……」と不安になったり、内定が欲しいという焦りから転職の目的を見失ったりする時期があるのも自然なことです。
特に第二新卒の場合は初めての転職というケースも多いと思いますので、何かと不安も多いのでは?
今回は転職で失敗した経験のある先輩の体験談を例に、自分の転職活動を成功させるために軌道修正するコツをお話しします。
この記事の目次
転職の成功事例だけでは見えない“落とし穴”?「転職して後悔した理由」ランキング
転職活動中または検討中の方は、転職の失敗(後悔)を想像することはできても、それが自分に起こりうるか否かの判断は難しいはずです。
なので、まずは後悔につながりやすいポイントを知ることから始めましょう。先輩の失敗事例や、あなたが転職を成功させるために注意するべきことについては、次の章から詳しく触れていきます。
この転職…失敗!?「転職して後悔した理由」ランキングTOP10
こちらは転職サイトDODAが25〜39歳の転職経験者に、「転職して後悔したこと」をアンケートした際の集計結果です。
順位 | 転職の後悔ポイント |
---|---|
1位 | 給料が希望と異なる |
2位 | 経営者や社員と合わない |
3位 | 社風が合わない |
4位 | 経営状態や将来性が不安 |
5位 | 残業が多い |
6位 | 仕事内容が希望と異なる |
7位 | 組織や環境が整っていない |
8位 | 休日が少ない |
9位 | 正当に評価してもらえない |
10位 | キャリアアップできない |
(参考:https://doda.jp/guide/ranking/061.html)
今現在、転職活動をしている方の中には、自分の転職理由がランクインしていて更に不安になったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、対となる「転職して良かったこと」ランキングの上位は、この内容をそのまま裏返した形になっています。
退職のタイミングや転職理由など、諸々の事情によって希望条件の妥協ポイントにはもちろん個人差がありますが、転職に後悔するポイントはやはりメジャーなものに偏るようです。
「職種」ごとに転職の成功例・失敗例は変わる?
順位 | 1位 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|
事務アシスタント系 | 経営者や社員と合わない | 給料が希望と異なる | 経営状態や将来性が不安 |
クリエイティブ系 | 経営者や社員と合わない | 給料が希望と異なる | 経営状態や将来性が不安 |
建築/土木系 | 経営者や社員と合わない | 給料が希望と異なる | 仕事内容が希望と異なる |
(参考:https://doda.jp/guide/ranking/061.html)
上の表は、先ほどご紹介した全体のランキングと少々結果が異なっている職種をピックアップしたものです。
仕事の特質上、給与よりも他の社員との関係性や、安定した経営状況などが重視されるのかもしれません。
先ほども触れたように転職の希望条件には個人差がありますし、場合によっては全体のランキングだけを参考にすると、かえって転職の目的がブレてしまう可能性があるので、全体だけでなく希望職種のランキングも目を通しておくことをおすすめします。
ランキング上位から見える「転職成功のポイント」はこの1点
上位にランクインしている「給与」「社風」「将来性」などは、いずれも企業リサーチや事前確認がキーとなる項目です。
入社前に自身が集めた情報と、入社後のギャップの大きさがそのまま“後悔”につながっている傾向があります。つまり、このギャップを小さくすることが、転職後の後悔を最小限に抑えるポイントとなります。
言葉で言うのは簡単ですが、リサーチや面接での確認などはとても難しいことです。企業が公開する情報量はバラツキがありますし、給与の質問に執着すると思わぬマイナスイメージを与えるリスクもあります。
では、具体的にどのようなことに注意して動くべきなのか、よくある失敗事例とともに説明していきます。
転職の失敗事例①「給料が希望と異なる」
給与の希望額が正直に答えられない、印象が悪くなりそうだから給与の制度について聞くのが怖い、と言う転職希望者の方は非常に多いですよね。
しかし、採用側から見た場合の問題点は“給与アップを望んでいること”ではなく “希望額の根拠不足”であることです。
転職成功のためのポイント1.「給与の希望額は必ず根拠を揃える」
確かにシビアな話題ではありますが、根拠を明確にした上での数字なら幾分話しやすくなるはずです。
「25〜28万」など、最高と最低を含んだ形で伝えるようにすると、採用側との交渉もしやすくなります。(もちろんこの範囲についても補足が必要になりますが)例えば同じ経験年数の給与をリサーチしたり、他社との比較を用いたりするのも1つの方法です。
具体的なデータをベースにすることで、自身を客観視できるという印象も与えられます。
転職成功のためのポイント2.「希望額が明確であれば給与体系なども質問しやすい」
きちんと根拠のある希望額を伝えた後に、「この希望額はインセンティブが含まれる前提で考えておりますが、御社では…」と補足する形でなら、給与の内訳なども自然に質問しやすくなります。
給与のことばかり聞いていると悪い印象を与えることもありますが、キャリアパスなど入社後の貢献についてしっかり考えを持った上での質問ならさほどマイナスにはなりません。
転職の失敗事例②「社風が合わない」
ある意味、一番リサーチが難しいのは社風です。HPなどから表面的な雰囲気は掴めるものの、詳細は結局入社してからでないとわからないことが多いものです。
転職成功のためのポイント3.社風はSNSや転職エージェントから情報収集
企業のHPは制作会社のスキルやブランドイメージに寄せた外観になっているので、実際の職場の雰囲気をみるという目的には適していません。
社風はブログや公式SNSなど、実際の社員が書き込んでいる可能性が高い情報を参考にしましょう。
転職エージェントを利用している方は情報を共有してもらえる可能性が高いので、積極的に相談してみてくださいね。
転職成功のためのポイント4.再度転職する前に「合わせられるか?」を検討する方法
社風で余計な負担を感じるようであれば、いずれ仕事に支障が出ます。待遇面や仕事内容などで理想の会社に入社できたのに、この一点で再度転職活動となるのは勿体無いような気がしますが、相性ばかりはどうしようもありません。
もし入社直後に不安を感じたら、社風への戸惑いを近しい同僚や上司に相談してみましょう。
“合わない”と感じている時点で、コミュニケーションなどですれ違いが生じやすくなるため、早めに動くことをおすすめします。
この時に気をつけたいのが、「合わせる」という意志や姿勢をちゃんと伝えることです。いくらフランクに話せる同僚でも、社風への不満を伝えるだけでは状況は進展しません。
転職の失敗事例③「経営状態や将来性が不安」
憧れの職業に就いたものの、現場を目の当たりにして転職を悔やむ方は少なくありません。
転職成功のためのポイント5.異業種転職ほど「憧れフィルター」越しの企業リサーチに注意!
仕事内容に強い憧れを抱いている場合、一番関心のある項目に重きを置いた企業リサーチをしてしまいがちです。
特に転職後の後悔が大きくなるケースは「未経験」で「憧れの業界」に転職できる企業、という極端な条件のみに従って転職活動を進めた方に多く起こります。
自身の(少ない)希望条件を満たしている、過去の実績が希望の仕事内容に近い、ということから労働環境などの確認が後回しになっていたり「この業界ならこの労働時間なんてザラ」という誤った覚悟を抱かないように注意してください。
こうした失敗を減らすには、希望職種に就いている方の退職の口コミなどにしっかり目を通すことをおすすめします。
転職成功のためのポイント6.希望条件は何度も練り直す
確かに異業種転職では未経験歓迎というコピーや仕事内容が重要となりますし、転職を成功させるために希望条件を絞ることも間違ってはいません。
しかし、異業種への転職の時こそ本当に譲れない最低条件が他にないか(生活の質は保てるか、キャリアアップ は望めるのか)、振り返る機会を作るようにしましょう。
転職活動が長くなった場合、または退職の経緯にコンプレックスを抱いている場合などは、客観的な自己評価をできなくなっている可能性があります。
その点も含め、転職経験の口コミが集まるサイトや、転職エージェントの利用など第三者の意見を聞ける機会を作ることをおすすめします。
転職の失敗事例④「仕事内容が希望と異なる」
実のところ、入社後に仕事内容が拡大すること自体は“転職あるある”とまで言われるほど頻繁に起こります。重要なのは“増えた理由”と“あなたのキャリアプラン ”です。
転職成功のためのポイント7.上司の意図を冷静に聞く場を設ける
なぜ転職は“仕事内容の拡大”が起こりやすいのかについて上司視点で考えると、次の3つに分類されるケースが多いはずです。
- 採用側と応募側の認識にズレがあった
- 募集は充足完了していたが「採用したい人材だった」
- 入社後にスキル不足が発覚した
【1】に関しては事前リサーチだけで防げる可能性がありますが、問題は転職希望者には対策の仕様が無い【2】と【3】のケースです。
まず【2】のケースについてですが、中途採用は新卒採用のように決まった日程で進行するケースは少なく、応募があった順に面接をします。そして早めに目標人数に達した場合、以降の応募を断ることもありますが、せっかくなので他にいい人材がいないか面接は続行する、という企業も意外と多いのです。もちろんこの事情について説明することはあまりないので、内定を受けた側としては不満ですよね。
【3】は面接時では実務試験があるわけではないので、入社後にスキル不足と判断された上で他の仕事を任されるようになったケースです。どちらのケースであったとしても、まずは上司の意図を聞いた上で今後のことを検討した方がいいでしょう。
転職成功のためのポイント8.迷ったら“キャリアプラン ”を再確認
上司の意図とは別に、仕事内容が大きく変わったことで不満が膨れるのはしょうがないことです。根気よく上司と話し合うよう務めるか、仕事内容を受け入れるか、思い切って転職活動を始めるか、この判断は非常に難しいですよね。
ここで参考にするべきなのは、「転職の際に組み立てた自身のキャリアプラン」です。
現時点で自分の仕事内容があまりに希望とかけ離れたものでも、キャリアプランという長期的な視点で見れば多少関わりを見出せる可能性があります。もちろん、その逆も然りです。
まとめ
転職は人生の転機と表現する方もいるくらい大きな出来事です。その分、普段よりも決断力や体力、コミュニケーション能力などをフル稼働させなければならない過酷な期間となります。
だからこそ「転職で失敗したくない」という焦りや「転職できるのだろうか」という不安が募りやすく、それらの感情が転職活動自体をペースダウンする要因となる可能性もあるのです。
転職活動は最終的には自分自身で挑むものですが、その過程を一緒に背負ってくれる存在を見つけることも、場合によっては必要だと考えてくださいね。