第二新卒が自己PRで注意すべき5つのコト&転職を成功に導く面接例文集

鏡の前で気合を入れる女性 転職の知識

第二新卒の皆さんは、新卒採用の面接で自己PRの経験をされたことでしょう。

しかし、数年間の社会人生活を経た現在では、改めて問われると『何をPRしてよいかわからない』『どのエピソードが良いのだろうか?』など、悩まれることも多いと思います。

本記事では第二新卒が自己PRで失敗しやすいポイント、自己PRの組み立て方、実際の例文などをご紹介します。

転職の面接で気をつけるべき「自己PR」NG例!

考え込むスーツ姿の男性

本題に入る前に、まず転職希望者が気をつけなければいけない自己PRのNGポイントについて、具体的な例とあわせてお話しします。

【転職の自己PRの注意点①】新卒の自己PRから更新されているか?

NG例)
「私はリーダーシップに自信があります。学生時代は○○でサークル長を務め、みんなをまとめる立場に…」

自己PRのエピソードは、前職での出来事など、特に新しい内容を優先的に盛り込んでいきましょう。

新卒採用時の自己PRで多い題材は、学生時代のサークル・クラブ活動やアルバイト、打ち込んでいる趣味に関するエピソードなどですが、転職時はこうしたトピックを避けるべきです。

いずれも為人(ひととなり)が伝わる話題ではあるものの、社会人経験を経た自分を売り込むための話題としては説得力に欠けています。

転職の自己PRの注意点②】具体的なエピソードが入っているか?

NG例)
「私は前職で後輩育成を任されていたため、チーム全体を視野に入れて行動することができます。」

エピソードが添えられていない場合、自己PRの根拠となる部分が欠けてしまうため、説得力のない内容となるので注意が必要です。

具体的なエピソードが入ることによって、自己PRに具体性と客観性を持たせることができます。PR内容とリンクする体験が思いつかない場合は、自己PRのテーマとしては避けた方がいいかもしれません。

【転職の自己PRの注意点③】アピールポイントは1つに絞る!

付箋が貼られたホワイトボードと女性
NG例)
「私は前職で新サービスのスタートに携わり、企画立案から制作までの一連を経験しました。その際にプロジェクトチームの副リーダーに選任され、少人数規模ではありますが制作部の生産管理や進捗管理も経験し、」

NG例を読み終えた時点で、ほとんどの方が“わかりにくい”という印象を受けたのではないでしょうか。

実務経験や周りからの評価など、色々な要素が盛り込まれているにもかかわらずインパクトを感じないのは、アピールポイントが多すぎて結論が見えにくくなってしまっているためでしょう。これは話すエピソードを先に決めてから自己PR文を考えた人に起きがちな失敗です。

【転職の自己PRの注意点④】履歴書の内容と矛盾していないか確認を!

NG例)
履歴書のPR欄「Web制作に関連するソフトウェアを複数使ったことがあり、制作スキルには自信があります」

面接時の自己PR「Web制作に携わった経験はまだ浅いですが、現在もキャリアアップに向けて勤務時間外に自主的に勉強中しております。」

履歴書を書いている時と、書類選考が通って面接が決まるまでで多少の期間が空くため、それぞれの自己PRの一貫性が無くなる方は意外と多いそうです。

特に面と向かって話す時は緊張するため、思わず謙虚になりすぎた結果、話のニュアンスが大きく変わってしまうという失敗も。

面接官の方は当日、手元に応募書類を持った状態で応募者の話を聞いているため、矛盾があれば一瞬で気づきます。面接前には必ず応募書類の内容も見直しておきましょう。

【転職の自己PRの注意点⑤】企業との接点がある内容か?

NG例)
※デスクワークの募集に対して
「私は前職でTV番組制作の美術スタッフとして働いていて、臨機応変に動ける柔軟性や、連日のハードワークにも耐えられる体力を身につけました」

自己紹介と自己PRを混同すると、上記のように企業にとってメリットが見えにくい自己PRをしてしまうケースがあります。

自己紹介は「相手に自分を知ってもらうこと」が目的なので、名前や職務経歴、為人などが求められます。

対して自己PRは、「自らを相手に売り込むこと」が目的なので、企業のニーズと接点のある内容にする必要があります。

面接で話すべき「自己PR」の作成手順

机の上にノートやコップが置かれている様子

1.自己PRの作成前にまずは入念な企業リサーチを

先ほど、自己PRは企業との接点を持たせることが大切だとお話しした通り、企業側も自己PRから自社との相性や将来性を判断しようとしています。

つまり、企業リサーチをしっかり行ってから自己PRを制作しないと、的外れな内容になってしまう可能性が高くなります。

2.ツールなどを利用してPRポイントを整理

企業が自己PRから得たい情報は「人柄と性格」「応募企業への熱意」「今後の可能性」の3つです。

先に述べたように、「企業側が求めている人材にふさわしい」と、PR文の最後で結論づけてアピールできる内容であれば、自己PRのテーマ自体はどのようなことがらでも構いません。ただしテーマは1つに絞り込み、複数の話題を含む展開を避け、取り組んできた過程を端折らずに記述していきます。

企業側は履歴書に書かれた内容をもとに面接に望みますので、基本的に履歴書と同じテーマについてくわしく説明する形にすると考えやすいはずです。

まずは、テーマから外れた話題が含まれないように整理していく必要がありますので、箇条書きするか、パソコンのマインドマップツールを使って進めていきます。

3.面接で話す用に「自己PR」を組み立てる

PCを操作しながらメモを取っている女性

自己PR文の構成としては、まず「何を成し遂げたのか」という結論から伝えます。その上で、以下のような順番で、それぞれに対し行った行動を具体的に述べる形で組み立てます。

  1. 1. 自分の強み(結論)
  2. ①の根拠となるエピソードと結果(裏付け)
  3. 入社後のビジョン(貢献度の提示)

上記の要素を箇条書きにします。文章化する際は箇条書きした要素を一つずつに整理し、その3つの幹に対して更に枝葉を付けていくイメージです。幹の部分が履歴書に書く内容となり、枝葉のついたものが面接時に採用担当者に向けてアピールする内容となります。

マインドマップツールを利用していれば、この作業は非常に楽ですし、内容に違和感を感じた際にすぐに振り返れるため、軌道修正もしやすくてオススメです。

面接での自己PRは「時間」にも注意が必要!

自己PRで話せる時間は、個別の面接かグループ面接なのかによって変わります。どちらにも対応できるように、「1分間で話せるボリューム(200〜300文字程)」「3分間話せるボリューム(400〜500文字程度)」の2パターン作成しておくと安心です。

【職種別】自己PRの例文集

面接官の男性と若い女性

最後に、今回お話した内容の要約と、自己PRで話すべきポイントを押さえた例文集をご紹介します。先ほど触れた「自己PRの核となる要素」は、以下のように置き換えると考えやすくなるので参考にしてくださいね。

  1. 自分の強み(結論)
    …私の強みは○○です。
  2. 1の根拠となるエピソードと結果(裏付け)
    …強みを自覚したのは○○の時です。
  3. 入社後のビジョン(貢献度の提示)
    …私の強みを◯◯の形で活かし、御社に貢献したい。

【転職の自己PR例文①】未経験の職種を志望する際の自己PR

私は、実際の数字から問題解決を目指すことが好きです。前職は店舗での販売・接客ですが、副店長として売上管理などを任されております。日常的に数字の管理に触れていたためコスト削減などにも興味が湧き、勤務店舗では毎月の収益改善の提案を求められる立場になりました。先々月の提案内容の実施では、スタッフのシフト見直し、残業時間の削減という2点から15%の経費削減を実現しました。

私は御社の「コスパが良くて、見た目も良い日用品」というテーマに共感しており、多店舗展開に取り組んでいる今、私の現場目線のご提案を事務職の立場からも活かせる環境であると感じております。

未経験の場合、即戦力となる専門知識・専門技術を持っていないため、採用するメリットを伝えるのが難しいと思います。そういった時は、職種を越えて重宝されるポータブルスキルをアピールできるよう意識しましょう。

【転職の自己PR例文②】専門的な職種を志望する際の自己PR

私はユーザビリティに特化したWEBデザイナーだと思っています。クリエイティブ職である以上、企画段階ではキャッチーさや話題性、インパクトなどが重視されるシーンも多くありますが「デザインはしっかりとした構造があってこそ機能するもの」と私は考えます。そのため、デザインを再現するために必要な知識はプログラマー、コーダーなどと積極的に関わりながら学ぶよう努めておりました。

実際に、回遊率の伸び悩みで相談された案件に対し、UI向上を目的としたサイトデザイン改修の提案と実施を担当し、PCユーザーのページ別訪問数5%増、モバイル端末は15%増という結果を出した実績があります。

御社ではWEBデザイナーからWEBディレクターにキャリアアップした社員が多く在籍している点が非常に興味深く、自分のキャリアビジョンに近い環境だと思っております。

専門的な知識や技術、実務経歴などが問われる職種への転職の場合は、現在のスキルレベルをいかに具体的に伝えられるかが鍵となります。そして、そのスキルが採用側の求めるレベルに達しているかを図るために、特に念入りな企業リサーチも必要となるでしょう。

まとめ

面接官の女性とリクルートスーツの若い男性が話している様子

自己PRに関する質問は、自身を売り込むためのプレゼンテーションです。

質問自体は抽象的な印象を受けますが、今回お話したように「企業側が聞きたい項目は限られている」ことを意識しておけば、構成も幾分考えやすくなるかと思います。

面接中に落ち着いて話せるよう、簡単な面接のシミュレーションは繰り返し行っておきましょう!