近年、注目を集める再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料を使わず、太陽光や風力、地熱、水力(波力・潮力、流水・潮汐)、バイオマスなどを用いるエネルギーのことです。
これらのエネルギーは自然界のどこにでも存在し、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出せず、利用した分より多くのエネルギーが自然界で補充されるというメリットがあります。

この記事の目次
平文俊全とは
平文俊全さんは、茨城県でナンバーワンの太陽光発電会社であるノーバルホールディングスの創業者であり、現代表取締役社長を務める人物です。

まだ30代にして茨城県でナンバーワンの太陽光発電会社としての実績を作り上げた経歴や人柄などについて伺っていきたいと思います。
経歴

2004年に茨城県つくばにある茗溪学園を卒業後、ストレートで慶應義塾大学総合政策学部に入学し、2008年に大学を卒業しています。
そして2010年には当社の設立準備を開始し、2014年に茨城県つくば市においてノーバルホールディングスを設立しました。
人柄・趣味

人柄としては、業界における新技術や新ビジネスに対するアンテナの感度が高く、それが後述する独自の仕入れルート開拓や管理オートメーション化などにつながっています。
また、自社による技術開発や、他社との技術提携を進めるのも得意としています。
ただ、ひとつ欠点をあげるとすると忘れ物が多いという点でしょうか(笑)。
趣味は英語や中国語といった語学学習で、これも海外の仕入れルート開拓に役立っています。
ノーバルホールディングスとは


ノーバルホールディングスとはどのような会社なのか取材しました。
ノーバルホールディングスの事業内容と今後の展望


当社は茨城県つくば市に拠点を置く、再生可能エネルギー開発を行う企業です。
具体的には、茨城県を始め、北は宮城県、南は鹿児島県までの全国で太陽光発電所及び、風力発電所の建設を行なっております。
また、建設が完了した発電所については、自社で運転管理を行い、大手商社や大手電力会社に電力の卸売を行なっております。
我々の直接の顧客は、売電先となる商社や電力会社で、現在は売手市場となっています。
重要なのは、発電所建設用地の取得や機器の購入の際の弊社の信用力です。
今後はこれを高めることで、土地や機器の購入が容易になり、ビジネスを進めやすくなると考えております。
現在のビジネスモデルについてと新しいビジネスモデルについて


我々のビジネスは、まずは土地の持ち主に対し訪問・電話などにより用地取得交渉を行い、発電所を建設する用地を買収します。
また、候補地については、森林法、農地法、埋蔵文化財保護法、開発許可、転用許可等の行政確認を行います。
その後、設計や電力会社との系統連系協議、事業計画認定の取得を行います。
工事のスケジュールが固まったら、電話・メールによって機器の購入や資材と工事要員の手配を行い、建設を開始します。
発電所が完成した後は、発電した電気を大手電力会社などに卸売します。
また、今後は発電した電力を近隣の施設に直接つないで売るモデルや、遠隔地にある需要家と相対契約を締結し、送電線を用いて電力を送るモデルの実現に取り組んでいきます。
ノーバルホールディングスのグループ会社


ノーバルホールディングスは再生可能エネルギー開発に携わる複数の子会社を束ねる持株会社(親会社)になります。
子会社としては、エネルギー事業の企画、開発及び管理・機器と資材の調達及び販売を行う「合同会社ノーバル・テクノロジー」、太陽光発電設備の保有を行う「合同会社ノーバル・ソーラー」、風力発電設備の保有を行う「合同会社ノーバル・ウインド」の3社があります。
ノーバル・ホールディングスが目指す「しわ寄せのない自己完結型ビジネス」
ノーバル・ホールディングスが掲げる、「しわ寄せのない自己完結型ビジネスモデル」の追求は、再生可能エネルギー業界における大きな転換点となりうる挑戦です。
単にエネルギーを供給するだけでなく、持続可能な未来を築くための明確なビジョンと戦略が凝縮されています。
企業の将来性:自律分散型エネルギー社会の実現へ
ノーバル・ホールディングスが目指すのは、消費者に負担をかけたり、特定の市場に依存したりする従来のビジネスモデルからの脱却です。
具体的には、自社で発電から電力の小売まで一貫して行う体制を構築し、需要と供給を自律的にコントロールできる「マイクロBG」の実現を目指しています。
大規模な中央集権型の電力システムではなく、地域や企業ごとにエネルギーを自給自足する「自律分散型エネルギー社会」への道筋を示すものです。

この先進的な取り組みは、電力の安定供給という社会的な課題を解決するだけでなく、再エネ導入をさらに加速させる可能性を秘めています。
社会における役割:Green matters… 持続可能性を付加価値に
ミッションの根底にあるのは、「Green matters… 持続可能性を付加価値に」という力強いスローガンです。
再生可能エネルギーを単なる代替手段ではなく、人々の生活を豊かにし、誇りを持てる選択肢に変えることが、ノーバル・ホールディングスの社会的な役割と言えるでしょう。
たとえば、設備寿命を倍増させる「ロングライフサイクルの太陽光発電所運営」や、カドミウム・ヒ素といった有害物質を使わないパネルの採用は、環境負荷を徹底的に低減する姿勢を示しています。
さらに、飲食店「PASTA MAGARI」の運営や、クラシックカーをEVに改造するプロジェクトは、再生可能エネルギーがもたらす「格好良さ」を世の中に広め、社会全体を巻き込むためのユニークなアプローチです。

こうした取り組みは、持続可能な社会をデザインするパイオニアとして、ノーバル・ホールディングスが社会に貢献していく姿勢を明確に示しています。
ノーバルホールディングスのプロジェクト(実績)

ノーバルホールディングスのプロジェクト(実績)はどのような規模で、全国に何箇所あるのかを調べました。
プロジェクト(実績)について

太陽光発電施設は、2014年10月に完成した茨城県つくば市の『NOVAL SOLAR 1』が最初の施設です。
その後、2020年5月竣工の『NOVAL SOLAR 福岡』まで16の発電所を完成させ、実に1年に2つ以上のペースでプロジェクトを完了させています。
完成済みの施設では、茨城県日立市にある『NOVAL SOLAR 14』がパネル枚数49,140枚、出力17,690kWで最大規模となっています。
また、2021年12月には鹿児島で『NOVAL SOLAR 霧島』、2022年8月には熊本で『NOVAL SOLAR 熊本』が竣工予定となっています。
さらに、2023年9月には、ノーバル・ソーラーの大規模蓄電事業が東京都「系統用大規模蓄電池導入促進事業」に採択されています。
この大規模蓄電事業では、米テスラ社製の大規模蓄電池「MEGA PACK」等を導入し、東京電力管内の電力需給がひっ迫した際など首都圏の電力需要への対応に貢献するようです。

太陽光などの再生可能エネルギーの導入は、日射量等の気象条件に左右され「電力の需給バランスを保つことが困難となる」という新しい社会問題が生じていますが、その解決の一助になるかもしれませんね。
茨城県企業でナンバーワンの発電容量
稼働している発電所16箇所の容量は合計50メガワット超あり、茨城県に本社を置く再生可能エネルギー開発企業としては、一番の規模となっています。
次世代の飲食店経営
再生可能エネルギーの開発のほか、茨城県つくば市に「PASTA MAGARI(マガーリ)」というイタリアンレストランをオープンしており、店舗運営には再生可能エネルギーを100%使用しています。
また、敷地内にはソーラーカーポートやスーパーチャージャーを設置しており、充電中のドライバーやEVに関心がある方々の交流の拠点を目指しているようです。
福岡での反対運動に対するノーバルホールディングスの対応
2020年5月に福岡で完成したNOVAL SOLAR 福岡については、現地で反対運動が発生してしまいました。

この反対運動の内容や、反対運動に対するノーバルホールディングスや平文俊全さんの対応について調べました。
過度な心配や、オカルト的な不安が反対運動の主な原因

反対運動の理由としてはいくつかの原因があげられます。
建設用地は元々、石炭を燃やした後に出る灰やクズの処分場でしたが、一部が標高163mの低山である白旗山の山麓の一部山林にかかっていて、木を伐採することによる「土砂災害のリスク」や「気温上昇リスク」を心配する声が上がりました。
また、太陽光発電所による電波障害という科学的な根拠のない噂話的な説も反対運動の一因となっています。
もう一つ、建設予定地の白旗山周辺は多数の事業者が太陽光発電所の建設を計画していて、各社の事業計画や対応が異なることから、全ての事業者がまとめて反対されるという事情もありました。
実際の許認可や対策について

実際のところ、ノーバルホールディングスの対応は最初から最後まで一貫して法に則り、後ろめたい所無く開発事業を行っています。
まず、2018年に最初に開発を企画した地元企業・悠悠ホームから土地と権利を購入して開発を引き継ぎ、法律を遵守して必要な届出や許可申請を行っています。
地元住民に対しても住民説明会を2回開催し、施設の安全性などについて説明しましたが、強硬な反対派により、説明は受け入れてもらえませんでした。
さらに、工事に関する質問や相談を受けつけるフリーダイヤルを設置して真摯に対応する姿勢を見せています。
実際の工事の工程では、木を伐採することによる大雨時の土砂災害などへの対策として、まずは沈砂地を2,300㎥の規模で設け、その後調整池を設置して水害に備えています。
ほかにも、気温が50°に達するのではないかという危惧に対しては、住宅地にパネルの反射光が向き続けることはない設計なので、気温上昇の可能性はほぼないと説明しています。
平文俊全の対応
会社としての万全の対策のほかにも、地元の『幸袋まちづくり協議会』という任意団体と紳士協定を結びます。
内容は、ノーバルホールディングスは幸袋の街づくりに貢献し、協議会はノーバルホールディングスを監督するというもので、地元に対して歩み寄り、共に問題を解決するという姿勢を見せています。
完成後の保守、メンテナンスまで担う
ノーバルホールディングスは太陽光発電所の建設と建設後の保守・メンテナンスも行います。
施設は警備システムを備え、定期的メンテナンスで周囲の環境に配慮しています。

これらの保守・メンテナンスは、社内システムにプラスして、社外の専門家のサポートも受けて計画され、発電所開発から運営まで、一貫して請け負える体制が整っているからこそ実現しているのです。
ノーバルホールディングスの評判

ノーバルホールディングスがどのような評判を受けているのか調べました。
ノーバルホールディングスの評判①
建設資材の確保において、独自の海外ルートを利用しているため発電所の建設コストが圧倒的に安い。

会社の特色として、商社を介さず、仕入れがうまいという評判があります。
ノーバルホールディングスの評判②
最新の部材を利用しており、品質が良い。

再生可能エネルギー事業は成長分野であり、進化し続ける最新部材や最新テクノロジー、品質に拘るノーバルホールディングスの姿勢が評価されています。
ノーバルホールディングスの評判③
管理のオートメーション化を進めているため、管理コストが低い。

保守、メンテナンスにおいても高コスト化が進められています。
PASTA MAGARI(マガーリ)の評判
食事+αの体験価値、改めてレストランで食事をする醍醐味、楽しさを満喫出来て大満足な時間でした。

『次世代の食のあり方を求める社会実験場』としてレストランも評価されています。
ノーバルホールディングスの評判まとめ

全体的にコストパフォーマンスの良さが高い評価を受けています。
また、福岡では反対運動が発生したものの、その他の17箇所での建設工事では問題は発生しておらず、法律を守りつつ事業を展開する優良企業であることがわかります。
採用情報


ノーバルホールディングスの採用情報について聞きました。
求めている人物像

人物像としては「信用性」「学習意欲」「真面目さ」などを重視しています。
また、年齢層としては20代~40代です。
採用面接で重要視するポイント

電気工事や土木工事の資格や、CADソフト・エクセルマクロを扱う能力があればポイントが高くなります。
入社するメリット

電気工事士や電気主任技術者、土木施工管理技師の資格取得支援をしているので、働きながら資格を取ることができます。
平均年収・平均勤続年数、福利厚生について
- 平均年収:808万円(パートを除く)
- 平均勤続年数:4年
- 福利厚生:社会保険、有給休暇、土日祝休み、フレックス勤務制度あり
まとめ

以上がノーバルホールディングスの再生可能エネルギー開発事業についての全貌です。
再生可能エネルギー事業は世界的に新しい事業ですが、ノーバルホールディングスは技術開発や低コスト化の実現などを行い、進化のスピードにしっかりと対応している会社です。
反対運動への対応についても、開発事業者として最善の対策を講じ、地元住民との融和を果たすというこれ以上はないという対応で建設工事を完遂しています。
会社の目標としてさらに信用力を高めることを掲げており、今後もさらなる成長が見込まれる企業と言えるでしょう。
会社概要
名称 | 株式会社ノーバル・ホールディングス |
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所在地 | 茨城県つくば市島名4372番地(区画整理番号:市諏訪C22街区7画地) |
資本金 | 50,000,000円 |
代表取締役 | 代表取締役 平文 俊全 取締役 横山 昭洋、平野 純一 |
外部取締役 | 園 博昭 |
事業目的 | 純粋持株会社として子会社の管理を担当 |
本稿では、今後も成長が見込まれる再生可能エネルギー開発事業を手掛ける、平文俊全さんとノーバルホールディングスについて取材と調査を行った内容を掲載しています。