第二新卒が転職するメリットと成功する人の特徴3選

パソコン前で笑顔の若い女性

第二新卒転職して、次のキャリアを目指すことが普通になり、若年転職者の中から有望な人材が欲しいという企業では採用活動自体に大きな変化が見られます。しかし、市場動向を無視して、自己の転職理由や社会的実績などのポジショニングを正確に把握することを怠った第二新卒層が、ジョブホッパーとなるケースは明らかに増えています。

そんな中で、第二新卒者が、転職活動でキャリアアップするために知っておくべきことは何でしょうか。早期離職から次の職場を求めるという行動が生む、メリットとはいったいどのようなものなのか。実際に転職により、キャリアアップをしてきた筆者が、第二新卒が転職する際の注意点や、その転職活動の特徴について解説します。

第二新卒で転職する3つのメリット

ノートPCを見つめる2人の女性

実際、第二新卒として転職するか迷っている方も多いでしょう。実は「第二新卒」というステータスでの転職には、3つのメリットがあるのです。

1. 第二新卒であることが転職の強みとなる!

35歳を超える転職とは異なり、新卒社員として就職した企業を離職する立場である「第二新卒」の転職には、企業側も人材を積極的に採用したいと考えています。と言いますのは、第二新卒は“ノビシロ”という点で、新卒と変わらないか、それ以上の戦力として受け入れやすいと考えているからです。

新卒企業で2~3年のキャリアを経験している第二新卒であれば、社会人としての基礎的な知識や経験はすでに身についていることが多いです。また、社会人として多くの企業を渡り歩いていない面では、企業理念や職種内容などの新たな内容にも柔軟に対応しやすいと考える傾向があります。

同業種への転職では「即戦力」として見られることが多いです。また、異業種への転職でも“ノビシロがある”という面で見られることが多く、企業側は第二新卒の転職を積極的に受け入れる体制が整っていることが多いのです。

2. IT業界こそ第二新卒からのスキルアップ拠点!

ビル前で笑顔を見せるスーツの女性

第二新卒として転職に踏み切るという選択肢。2015年10月より始まった、経団連の採用時期統一により、中堅・中小企業は新卒採用の方針を変更しなくてはならなくなりました。度重なる内定辞退に悩んだ末の選択が、第二新卒を新卒枠で採用することで、若い力を会社に取り入れるということでした。

転職を考える理由は人それぞれでしょうが、バブル崩壊以降は終身雇用制を敷く企業は減少、リーマンショック後には皆無と言って良いほどレアな存在となっています。そのため、新卒で入社した企業で生き残ることばかりに注力し、自己効力感を喪失した状態で働き続ける人が増えています。

これは前述したように、終身雇用制の崩壊によるものが大きいですが、ITビジネスを中心としたベンチャー企業の台頭も大きいのです。

今や、ネットビジネスは、マーケティングやリアルサービスなどの分野でも無くてはならない存在であり、市場価値が高い人材の宝庫として注目を集めています。実は、IT業界ではリーマン・ショックより前から、ごく普通の採用活動として第二新卒から正社員枠に転職する20代を積極的に受け入れています。

型にはまった大手企業で“将来が保証されない安定”を望むよりも、自分の能力や実力を遺憾なく発揮したいと考える方も増えてきています。また、それがスキルアップにもつながり、ゆくゆくは自分自身で起業するという30歳前後の方も増加傾向にあることも、一つの転職のメリットといえるでしょう。

3.第二新卒の転職で給与もキャリアもアップできるメリット

パソコン前で嬉しそうな女性

「引き抜き」や「ヘッドハンティング」という言葉もあるように、優秀な人材は同業種からスカウトされることもありますよね。こういったケースでは、新卒として就職した企業よりも好条件の待遇を受けることが多いです。ただ、給与面のアップやキャリアアップの可能性は、引き抜きやヘッドハンティングだけではありません。

第二新卒の転職では、それまでの経験や知識を考慮して、新卒で入社した企業よりも高待遇の条件を提示されることが多いです。「給与は能力による」と書かれた外資系企業には特に多く、年棒制に変わっても月給換算で10万円~20万円猶予がアップするということもめずらしくありません。

また、そうした企業への転職では、「本人の能力」が左右される場面が多く、実力を発揮しなければいけないという背景にも後押しされて、仕事に対しての意識も変わるものです。そうした背景や経験を通して、キャリアアップ・スキルアップできる可能性がかなり高いのが、“積極的・第二新卒の転職”のメリットといえるでしょう。

第二新卒の転職には3つの注意点がある

スーツを着た若い女性

第二新卒の転職が“成功しやすい時代”とはいえども、企業側にも「採用・不採用」の選択の権利はあります。ですので、第二新卒として転職活動をする際には、3つの点において十分な注意注が必要です。

1. 第二新卒の転職では「目的意識」が重要

第二新卒として転職をする際、転職を考えた動機は何でしょうか?

人それぞれでしょうが、「スキルアップしたい」であるとか、「異業種で自分の可能性を試したいという「自己啓発型の転職」もあるでしょう。あるいは、給与面を大幅にアップさせたいであるというケースも多々ありますね。また、「スキルアップしつつ、自分の能力次第で給与を上げたい」という「成果主義型の転職」もありえるでしょう。

第二新卒にかぎらず、転職をする上では「なぜ、その企業に転職したいのか」といった目的意識をはっきりと持つことが重要です。確かに、第二新卒というステータスは、30歳を超える転職よりもスムーズに行くことが多いです。しかしながら、「目的意識のない転職」は、企業側からいわゆる“お祈りメール”や“お祈り手紙”で不採用通知がくることが多いのです。

「第二新卒だし、若いからどこかに採用されるだろう」という考えは、しっぺ返しを受けることもあります。「今の職場では、なんとなく自分の実力は発揮できていない」であるとか、「今の職場での人間関係が嫌だ」といった「受動的な転職」では明確な目的意識が備わっていないので注意が必要です。第二新卒といえど転職はスムーズにいかない可能性が高いでしょう。

2. 第二新卒は転職先に「定量的な成果」アピール

笑顔で握手をする女性

大学在籍時の就職活動の面接では、「大学で何を成し遂げたか」であるとか、「サークル活動ではどんなことをして、どんなポジションだったか」をアピールすることこそが“就職活動の肝”といえます。ただし、第二新卒での転職となると“大学時代のこと”だけでは、面接でも話が盛り上がらない・面接官にアピールしづらいといった状況が生まれやすいです。

ですので、第二新卒として転職活動をする際には、「新卒採用で入社した企業で何ができたか」を数値化して、職務経歴書でも面接での自己アピールでも伝えるようにすることが大事です。

たとえば、「営業職として誰よりも速い行動を心がけた」よりも、「営業職として、4-6月四半期売上で500万円達成。目標400万円に対して125%の目標達成で、同期入社組で3位の実績を得ました」などと、まずは「定量的成果」をしっかりとアピールできるようにしましょう。

そこで、「なぜ、400万円の売上に対して、500万円を達成できたのか」という「定性的成果」のアピールにつなげることで、面接官に自分自身の「能力」を具体的に伝えることができます。

一般的な会話でも、具体的な例や数字がある方がわかりやすいですね。“今日は暑い”より、“今日は最高気温35℃だから暑い”のほうが伝わりやすいですし、“スマホの充電がほとんどない”より“スマホの充電数値がもう8しか残量がない”のほうがイメージしやすいですね。

面接では「コミュニケーション力」を見られますが、コミュニケーションをうまく取るコツは、“いかに会話を深掘りできるか”ということです。「具体的な数字」は、“なぜ”や“どのように”のように、いわゆる5W1Hの会話につなげやすくなります。

営業職でなくても、「接客として一日50人のお客様に商品の案内をした結果、5人のお客様にお買い上げいただきました。お声掛けしたお客様の全体から10%のみのお買い上げでしたが、平均単価は15,000円だったので日商75,000円の貢献ができていることになります」とすると、会話も広がりやすくなりますよね。

3. 面接では「失敗談」の説明が重要

会議風景

面接の注意事項として「自分の成功談」や「美談」をアピールしがちです。実際は「失敗談」のほうが面接官にウケがいいことも多いです。第二新卒という年齢だと、失敗も多いはずです。

「取引先への発注数を大幅に間違えた」という失敗談であれば、“その状況をどのように乗り越えたか”や、“失敗したことで、その後の行動を変えることができたか”といった「泥臭い失敗談」のほうが、面接官に人間味が伝わりやすいです。いくら「営業成績は部内で1位でした」とアピールしても、「どこか欠点があるはず」と思うのが面接官というものです。

そんな際、あらかじめこちらから先手を打って、自己アピールに「失敗談」を織り交ぜると、「性格」や「欠点」を伝えることができ、その他のアピールポイントに“真実味”が増します。「キレイ事」だけでは、面接官を口説くことは難しいといえます。

第二新卒で転職が成功しやすい人の特徴3選

スマホを片手に歩く女性

何度も書類選考に落ちるという方もいる中、1社だけ書類を送って面接、そのまま内定といった人がいるのも事実です。第二新卒として転職活動で成功しやすい人の特徴は、どのようなものかご存知でしょうか。

熱意を伝えられる人材

第二新卒といえば、30歳未満です。新卒採用で入社した企業で“大きな成果”の実績がない場合でも、“なぜその企業に入社したいか”といった熱意を伝えることが大事です。

「志望動機」で熱弁し、面接官を飲み込むほどの熱意を持つことも効果的です。ただし、そこに具体性がない熱意であれば、ただの暑苦しい人材のイメージになってしまいます。ですので、「なぜこの企業で働きたいか」を熱弁することが大事で、面接官の印象に残りやすいです。

「クールジャパン」という言葉もあるように、日本では“わびさびの文化”といったものがありますが、企業側からすれば「熱意のある人材」を見抜きたいのも本音です。協調性も大事ですが、熱意を伝えられる人材は転職活動に成功しやすいです。

柔軟で吸収力が高い人材

打ち合わせの様子

30歳以上の転職では、「即戦力」かどうかが求められることが多いです。

ただ、第二新卒の転職であれば“ノビシロ”という面で、「吸収力があるか」や「柔軟性があるか」といった、“素直さ”も求められることが多いです。第二新卒の転職採用に関しては、“将来の可能性”を見込んだ採用活動が多くされるためです。

実績はなくても、「転職したら挑戦したいこと」などの“やりがい”や“願望”をアピールすることは、採用側から柔軟性や吸収力の“ノビシロ”を確認される部分でもあります。

チャレンジ精神がある人材

笑顔で歩く若い女性

第二新卒の転職では、異業種にチャレンジするという方も多いですね。“若さ”を武器に、いかにその業界で働きたいかといった「チャレンジ精神」を明確に伝えられる人材は、面接官からも高評価を得られやすいです。

異業種からの面接であれば、「異業種にチャレンジしたい明確な理由」や「仕事に対して“面白み”を感じているか」は、面接で見ぬかれやすいポイントといえます。

まとめ

以上、9項目はいかがでしたか?第二新卒は30歳以上の転職と違い、“キャリア形成が可能な人材”として見られがちです。いかに企業からのニーズを汲み取ることができ、自分自身の考えをまとめて伝えられるかが、第二新卒として転職に成功しやすいポイントといえるでしょう。