第二新卒で職務経歴に嘘を書くこと(経歴詐称)はハイリスクです!
第二新卒は若手社会人として期待される存在です。しかし、転職活動中に自分の経験の少なさにコンプレックスを感じ、職務経歴を盛るか否かで悩む方が多いのも事実です。
この記事では、職務経歴書に嘘を書いてバレた場合にどのようなことが起こるか。
「職務経歴の嘘」が招く事態を説明した上で、自分のアピールポイントを伸ばす方法をご紹介します!
この記事の目次
職務経歴・経験に”嘘を書いた”第二新卒の本音
第二新卒に明確な定義はありませんが、一般的には下記のような人のことを指します。
- 新卒で入社して数年内
- 転職経験がない
- 年齢は(上記の条件から)20代半ばほど
この条件から考えると、”習得に数年かかるスキル”や”経験豊富さ”を第二新卒の方に求める企業は少ないと言えるでしょう。強いて言えば、社会経験がややある若手、といったニュアンスではないでしょうか。
ところが、第二新卒の方は転職活動中に、十分なスキルを持っていないことや業務経験が浅いことを理由に、「これでは書類選考さえ通らないのではないだろうか?」と悩むケースが非常に多いのです。
その結果、本当はただ先輩の手伝いをしていただけなのに「中心的な役割を担っていた」と職務経歴書に書いてしまったり、実は十分な知識・技術がないにも関わらず「◯◯を習得」と書く、就労期間を少し長めに書くなど、職務経歴書を「盛る」人が出てきます。友人の助言やインターネットの情報に影響され、職務経歴を盛ることに対する危機感が薄い方さえ出てきています。
近年、“経歴詐称”という話題が大きく取り上げられたことからもわかるように、職務経歴の嘘はいつかバレます。そして嘘が発覚した際は、採用側はもちろんあなた自身の今後にも大きな打撃を与えます。
職務経歴の嘘は、これでバレる
職務経歴を盛っていたとしても、パッと見ただけで嘘を見つけることはできないでしょう。実際に嘘がバレるケースのほとんどは、下記のようなきっかけで経歴詐称が明るみになっています。
面接時に経歴詐称がバレる
職務経歴を「盛って」いるわけですから、華やかな部分は当然面接時に質問される機会も多くなるでしょう。
しかし、質問に対する返答に整合性が無かったり、話を深掘りしようとしても(詐称のため)似た回答を繰り返したりすれば、その時点で怪しまれます。
普通に面接を受けたとしても緊張するのに、経歴詐称というネックを抱えた状態で絶好のパフォーマンスが見せられるかは甚だ疑問です。
嘘か否か気づく以前の問題で、コミュニケーション能力の不安から採用は見送られてもおかしくありません。
リファレンスチェック時に経歴詐称がバレる
「リファレンスチェック」とは、企業が応募者の前職または現在の職場に連絡し、当人の経歴や人柄を問い合わせることです。その際、企業は退職理由や、在職時の勤務態度、仕事内容などを確認する場合が多いようです。
リファレンスチェック自体は必ず実施されるわけではありませんが、外資系企業では以前から定着しており、近年ではその他業界でも取り組む企業が増えています。
入社後の書類提出時に経歴詐称がバレる場合
各書類の提出時に、その内容から経歴詐称が発覚することは非常に多いです。
年金手帳6715
前職の会社名と退職日が明記されています
退職証明書
前職の会社名、入退職日、給与額が明記されています
雇用保険被保険者証
入退職日、所属部署、役職や業務内容などが明記されます
源泉徴収票
前職の会社名、入退職日、給与額が明記されています
資格証明書
専門職などで、入社後に資格証明書の提出が求められることがあります
書類提出時の不審さで経歴詐称がバレる場合
この記事を読んでいる方は、「経歴詐称マニュアル」と謳う記事なども見かけたのではないでしょうか。テーマがずれてしまうので本記事では詳細は割愛しますが、確かにいずれの書類チェックも、経歴詐称を隠す抜け穴が存在します。
しかし、仮にマニュアル通りに嘘を隠せても、ネット上で公開されているぐらいの知識なので、採用側も既に目を通しているかもしれません。書面上は完璧でも、一度疑問を抱かれれば粗探しが始まるのは当たり前です。
実務が始まった時に経歴詐称がバレる場合
採用した企業側はあなたに実力以上の職務経験があると見ていますので、実力以上の仕事であっても、入社後すぐに任せられることになります。実務が始まれば経験不足はすぐに上司や同僚に気づかれてしまいます。
リーダー経験がないのに「リーダー経験あり」などと書いた場合も、人を統括したことがあるかどうか、マネジメントの基本的な考え方ができているかどうか、といったことは、見る人が見ればすぐに分かってしまいます。
予期せぬタイミングで経歴詐称がバレることも
職務経歴に嘘がある場合、その事実を知る人物が社外に必ずいるということになります。SNSで偶然知られてしまった、社内の人が前職の同僚と知り合いだったなど、人脈のつながりは予測することができません。
人伝いにバレたと聞くと「密告」のようなイメージが強いかもしれませんが、話した方は経歴詐称という事情を知っているはずもないので、配慮のしようがありません。
「職務経歴の嘘」のリスクは解雇だけじゃない
職務経歴の嘘が発覚した際のリスクといえば「内定取り消し」「解雇」などが真っ先に浮かびますが、他にも様々な可能性があることを知っておきましょう。
解雇されない場合もあるが、それが「幸運なこと」かは不明
職務経歴に嘘があった場合は内定取り消し、入社後でも解雇の事由に十分成り得ます。
一方で、嘘の部分が重要な項目とみなされなければ解雇理由として認められず、そのまま在籍が認められる場合もあります。
例えば職歴を偽ったが、募集要項に「未経験歓迎」と明記されていた場合などは、重要な情報を詐称したと認められないケースも考えられます。とは言え、そのまま在籍できても肩身が狭い上に、経歴詐称の負い目から損な役回りも断りにくくなる可能性も否めません。
解雇だけでなく損害賠償請求のリスクも
最悪の場合、損害賠償請求される可能性があることも知っておきましょう。企業は一人採用するだけでも、それなりの経費をかけています。
求人掲載、場合によっては成果報酬も発生し、その上で採用したにも関わらず一から求人をし直すことになるのです。
第二新卒が職務経験以外でアピールポイントを作る方法
中途採用の転職活動となると、社会人経験が豊富なライバルたちとの競争に勝たなくては内定が獲得できない場面も出てくるでしょう。ただし、第二新卒の場合は経験の他にもアピールできることがあります。
自分のアピールポイントがわからない、という方は次のような方法に挑戦してみてください。
【アピールポイントの探し方①】取りたい資格を本気で考えてみる
採用されるために資格をとる、という意味ではありません。
経験不足を前提にアピールポイントを考えることで「やる気(感情論)」が先行し、抽象的な自己アピールばかりになることを防ぐために、自分の中で具体的な指標をつくることが目的です。
希望の職種に役立つ知識はどんなものなのか、それを自分の中で明確にするために必要なものを考えてみましょう。
【アピールポイントの探し方②】前職で経験した業務をリスト化してみる
新卒で入社して数年で転職(退職)した方の多くは「自分は大した仕事を経験していない」と思い込んでいますが、客観視しないと見えないこともあります。
小さなことでも業務内容をすべて書き出してみましょう。一覧にすると自分の得意不得意が見えてきたり、志望動機をより具体的にするエピソードを思い出したりと、思いがけない発見があります。
【アピールポイントの探し方③】転職エージェントなど第三者に相談してみる
経歴詐称を検討するくらい悩まれている方の場合、前職を辞めるきっかけや、転職活動自体に大きな不安があるのではないでしょうか。
心配事がある方こそ、転職エージェントなど第三者へ積極的に相談することをおすすめします。人に話すことで自分の中で整理されることや、客観的な視点から解決策を得られることもあります。
まとめ
職務経歴に嘘を書くという行為でもたらされるメリットは一過性のものです。バレなかったとしても隠し続けるために更に嘘をつくなど、負のスパイラルに陥りやすいため、総合的に見てもデメリットのほうが上回ります。
「職務経歴を盛りたい」と少しでも思ったなら、その原因と向き合う時間や環境を大事にしてみましょう。
今回ご紹介した“アピールポイントの作り方”も、自分の現状を客観的に見るきっかけの一つとなるはずです。