志望動機は第二新卒の面接でも、必ず聞かれる項目です。
「志望動機について話してください。」「数ある企業の中で弊社を選んだ理由は?」
これらの質問に対し、テンプレートのような回答をすると印象に残りませんし、かといって奇をてらった内容にするというのも得策ではありません。
特に転職希望者に対する質問の場合、新卒以上に明確な質問意図が込められています。その点を意識して、改めて自身の志望動機を見直して見ましょう。
この記事の目次
新卒と第二新卒に求められる「志望動機」の違いとは
新卒採用の際は初めての就職なので、志望動機が多少抽象的な内容になってしまいます。業界研究や志望先のリサーチを全くしていないのはアウトですが、社会人経験がないことにより想像力で補う部分が出てくることはしょうがない、ということです。
しかし、第二新卒の場合は社会人経験があるため、想像力ではなく自身の経験や実績などに基づいた根拠を求められることになります。
転職時の面接は「転職理由」と「志望動機」の一貫性に注意!
「転職理由と志望動機の関係」については過去に他記事で取り上げているため詳細は割愛しますが、転職希望者はこの2点に必ず一貫性を持たせる必要があります。
1社目で実現できなかったこと、そして志望先で実現できることに繋がりが見えないと矛盾が生じてしまいます。転職理由を意識した上で志望動機を考えなければいけないという点は、新卒と第二新卒の志望動機の考え方において、最も大きな違いとなります。
面接で「志望動機」を聞かれた時、転職希望者がアピールすべきこと
これらが別々で聞かれるケースもありますが、質問が細分化されたとしても、“咄嗟につなげる”より“咄嗟に分解する”方が簡単です。話に矛盾が生じないようにするためにも、一度すべての要素を満たした志望動機を作成してみましょう。
志望動機のポイント①「企業研究(意欲)」
- 企業の方針、理念
- サービスや商品
- 今後の展望
志望動機の核となる部分で、会社に対する理解度が伝わる要素です。志望先だけリサーチした場合、比較対象がないと内容も浅くなってしまうため、企業研究だけでなく、業界研究まで視野を広げた上で考えるよう意識しましょう。
この時、前職での業務経験などにおいて“どのような部分”が“会社にどう貢献できるのか”という、具体的なイメージを伝える必要があります。詳細は、次のポイントでお話しします。
志望動機のポイント②「採用するメリット(貢献度)」
- 社会人としてのレベル
- 前職での実績
- (同業の場合)スキル、経験値
既卒者を採用するにあたり、「前職での職務経験を重視している」という採用担当者の声は非常に多いようです。これは、組織内における一般常識と、一通りの職務を既に経験しているという前提があるからです。
志望動機のポイント③「入社後のビジョン(将来性)」
- 入社後に実現したいこと(部署や業務内容)
- 将来実現したいこと(立場など)
キャリアプランの場合は生涯を通しての目標の話になりますが、志望動機で語るべき「将来のビジョン」は志望先で実現するものであり、“その後独立し…”など、企業内で完結しない目標は避けるべきです。この違いにピンと来ない方は以下の記事にも目を通しておくと安心でしょう。
面接時の志望動機は「言い方」に注意!
志望動機をしっかり考えていても、言い方によっては社会人としての印象が悪くなったり、要点がまとまっていないことで面接官に興味を持ってもらえなかったりすることもあります。
面接で志望動機を話す際の「順番」
志望動機が長くなる場合は、可能な限り結論から話すことをお勧めします。質問内容に対して一度簡潔に答えた上で「なぜそう思ったのか」を話すようにしましょう。
採用側の聞き方によって多少答え方を変える必要がありますが、最初の一文さえ伝わっていれば話の軸を先に理解してもらえるため、その後の補足が長くても伝わりやすい状態になります。
そのため、志望動機を考えた後は何度も復唱して、臨機応変に構成を変えられるように練習をしておいた方が安心でしょう。
「志望動機についてお話ししてください。」
→「私は御社の募集要項にある“デザインは問題解決の手段であり、装飾ではない”というコピーに惹かれ、応募を決めました。このコピーに惹かれた理由は現職での……」
「同じサービスを提供する企業はたくさんありますが、なぜ弊社を志望したのですか?」
→「同サービスを提供する企業は複数ありますが、私が重視しているのは“そのサービスをどのように展開する予定なのか”という点です。御社の企業理念は……」
面接で話す志望動機の理想的な「長さ」
志望動機の長さは2分くらいを目安に考えましょう。その時間内に話し切ることを考慮すると、文字数で言えば大体200〜500文字に収めることが理想ということになります。この時間設定の理由は大きく2つあります。
①第二新卒は採用側の質問数が多い
「2分」という時間設定は、全体の面接時間(約30分〜1時間ほど)から逆算した時に、志望理由に充てられる時間を算出したものです。
第二新卒や中途採用の場合は、現職・前職での経験や実績など具体的な質問が中心となり、その答えに対する追加の質問も増える傾向にあります。
新卒の答えは掘り下げることが難しいのに対して、第二新卒の答えは採用側としても“掘り下げなければいけない”のです。だからこそ、志望動機は簡潔にわかりやすく伝えられるよう準備しなければいけません。
②「わかりやすく」「簡潔に」が社会人の基本ルール
社会人経験のある第二新卒の場合、即戦力としての採用を検討しているため社内・社外コミュニケーションの能力値も問われます。志望動機や意欲が立派なものでも、話し方が下手だと採用側を不安にさせます。
つまり「わかりやすく」「簡潔に」話すための目安が“2分以内”という意味でもあるのです。
志望動機を話す「練習」は必須
第二新卒、中途採用の場合は、採用側の面接官も形式張った聞き方をしないケースが多くあります。そのため、自分の考えた志望動機(またその他の答え)をきっちり丸暗記してそのまま話そうとすると、会話のキャッチボールがちぐはぐになりやすいのです。
ハキハキした受け答えやアドリブも得意という方もいらっしゃると思いますが、面接で自然な会話をすることが苦手という方は、必ず練習をしておくべきでしょう。
転職エージェント等に登録しているなら担当の方に相談してみたり、そうでない場合は前職や学生時代の先輩に協力をお願いしてみたりするのも一つの方法です。特に転職の経験がある人が相手なら、質問事項もお任せできるので心強いですね。
働きながら転職活動をしている方は人とスケジュールを合わせるのが大変だったり、そもそも練習するのが気恥ずかしかったりするかもしれませんが、やっておいて損はないはずです。
転職の面接で話すべきでない志望動機NG例
ここまでのお話を踏まえた例文集をご紹介していきます。まずは、必要項目を満たしていない、または採用側からの印象が好ましくない「NG例文」からです。
【NG】志望動機の回答例①「貢献度が見えない志望動機」
○「意欲」 ×「貢献度」 △「将来性」
勉強熱心というスタンスで意欲を伝えることはできますが、それだけでは採用するメリットや将来性が伝わらない可能性があります。
【NG】志望動機の回答例②「実績紹介のみの志望動機」
×「意欲」 ○「貢献度」 ×「将来性」
前職でのスキル、経験、実績などは、採用側にとって有益な情報です。しかし意欲や将来性といった他の項目と関連付いていないと、せっかくの実績が響かないので注意が必要です。
【NG】志望動機の回答例③「転職・独立前提の志望動機」
○「意欲」 ○「貢献度」 ×「将来性」
独立や転職などのビジョンは、長期的な戦力を探している企業にとってはデメリットになります。例にあげたIT業界は人の出入りや独立等が特に多い業界ですが、独立前提の志望に寛容かは別問題です。
転職時の面接で使える「志望動機」の例文
NG例を確認した上で、今度は要素を満たしている例文を見ていきましょう。
「A.意欲」「B.貢献度」「C.将来性」
【OK】志望動機の例文①「設立間もないIT企業×SE」
現職では、さまざまな業界のシステム開発を請け負っており、その基本設計からプログラミングまでの実務的なアシスタントを担当しています。御社の募集要件である実務経験年数には僅かに届きませんが、「A.プログラミングに関する知識欲や自主性」には自信があります。
御社の求人を拝見して、「B.3年間のシステムエンジニアとしての経験を即日活かせる」こと、また自社サービスの企画にも携わっていける環境であることにも魅力を感じております。
【OK】志望動機の例文②「人事部への転職×未経験」
現在は求人広告メディアの営業として働いており、数人の新人教育を任される立場になってから、人の成長を社内でサポートする仕事に興味を持ちました。その際に自分だけでなく、後輩の目標設定から達成までも管理することになり、「B.PDCAサイクルの構築を日常的に行なっていた経験」は、御社でも活かせると思っております。
入社後は、社員の目標やモチベーション管理を通して、「C.御社の基礎体力を底上げできる」人事部になりたいと考えています。
まとめ
第二新卒と新卒が面接で求められるものは少々異なっており、それは志望動機に限ったことではありません。
今回ご紹介したような“第二新卒が求められること”は、面接の質問すべてに共通しているということを意識しながら、面接対策をどんどん進めて行きましょう!
志望動機=
「企業研究(意欲)」+「採用するメリット(貢献度)」+「入社後のビジョン(将来性)」