第二新卒で内定をもらい入社を承諾すると、これで転職は成功!と思ってしまいがちですが実はそうではありません。
転職の成否は、新たな職場に馴染み仕事の上で戦力として認められ、初めて成し遂げられるものです。
今回は、第二新卒が転職後に要求されるビジネスに必要なマインドセットについて取り上げてみます。
この記事の目次
マインドセットとは
マインドセットとは、自分が今まで経験してきた教育や先入観、経験論などをもとに構築される考え方や心理状態などのことを言います。
第二新卒や転職者などが以前の企業で培った、価値観や信念などの考え方もその一つと言えるでしょう。
第二新卒は「新卒」でないことに注意
第二新卒の場合は社会人としての経験が浅いことから、転職先でもつい新卒のときと同じような気分で働き始めてしまうことが少なくありません。
しかし、企業側から見れば第二新卒はれっきとした中途採用です。同じ業種や職種へ転職したのであれば、経験者と見なされることになります。
ここで新卒気分が抜けないと、「自分から動けない」「指示待ちのまま」といった評価が下されると考えて間違いありません。
第二新卒は新卒とは全く異なり、中途採用者として厳しい目で見られています。挨拶や名刺の渡し方といった基本的なビジネスマナーは身についていて当然と考えています。
また、新卒採用も行っている企業であれば、同世代で新卒採用入社だった社員と比較されることも避けられません。先に入って会社内のローカルルールに慣れた同年代の社員と比較されながら、新卒よりも早い時期に実務で力を発揮することを求められているのです。
第二新卒に企業が期待していることとは?
第二新卒は、短期間とはいえ既に社会経験があるわけですから、採用する企業側にとっては、基本的な研修を行う手間と時間を節約できると考えています。裏を返せば、そういった基本的なことが身についていないようでは、第二新卒を採用した意味がないと思われるということです。
ところが、第二新卒をより年齢層が高い中途採用者と同等に扱うかというと、必ずしもそうではありません。年齢が若いということは、それだけ柔軟に会社の風土や習慣に対応でき、新しい仕事を早く覚えられると期待されているのです。
つまり、新卒ほど世話を焼かなくても自分で動けて、しかも新卒のような素直さや柔軟性を持ち合わせているといった、かなり都合の良い期待をされている面があります。
新卒・第二新卒のいずれにせよ、企業にとって若い人材を採用するということは長く勤めてもらえる人を採るわけで、伸びしろを期待しているところは必ずあります。成長したいという強い意欲を示しながらも、会社の文化や先輩のアドバイスを素直に聞き入れる謙虚さを忘れないようにしてください。
第二新卒が就職後に気をつけておきたいことは?
第二新卒にとって転職は初めての経験です。
転職前の企業のマインドセットは一度リセットするべき
新卒で働いた会社では、初めて見聞きすることや、これまでの人生にない経験がたくさんあったはずです。しかし、転職して働く以上、前の会社での経験は次の会社の人にとって「関係ないこと」なのです。
前の会社で当たり前だったことが通用しない場面もあるでしょうし、前の会社で許されていたことで注意を受け、驚くこともあるかもしれません。このようなとき、「前の会社ではこれでよかったので」といった言い訳は、決してしないようにしてください。
転職前の働き方は正直、次の企業ではどうでもいい
あなたが前の会社でどのように働いていたかは、新しい職場の人にとっては「どうでもいいこと」です。
特に同じ業界や職種に転職した人は、仕事の進め方やちょっとした言葉の使い方について、前の職場の習慣を引きずらないように注意しましょう。
新しい職場の人に通じない、前の職場独自の用語を使って話していると、あなたはいつまで経っても「よその会社の人」と見なされてしまいます。以前の癖や習慣を早く捨て、新しい職場に馴染むことを優先するべきです。
新しい環境に早く馴染もうという努力は周囲の人に必ず伝わります。新しい職場でいち早く仲間として認知されることは、仕事のしやすい環境を作る上でも重要です。
すぐに成果や成長を追い求めるのではなく、まずはその地盤となる人間関係を作ることにも力を注ぎましょう。
第二新卒がビジネスパーソンとして成長するには?
新卒採用と中途採用の両方を行う会社では、第二新卒で入社したあなたと同世代の新卒入社組がいるかもしれません。本人たちが意識していないとしても、周囲は同世代の新卒組と中途採用組をどうしても比較するものです。
第二新卒には厳しい目でみられている意識を持つ
当然、周囲の目は生え抜きに対して甘く、第二新卒に対して厳しくなりがちだと思っておいたほうが無難です。
中途採用入社が多い会社では、中途と新卒の区別を特に意識しないこともありますが、一般的には中途のほうがより厳しく見られると考えてください。
積極性をみられている
また、第二新卒で入社した人には、自分から率先して動く積極性が求められます。
ゴミ捨てやコピー用紙の補充といった雑用は、面倒なのでやりたがらない人が多いため、率先して引き受けることで周囲からの印象は非常に良くなります。
そうした姿勢のある人は、仕事でも積極的に動くだろうと期待さ、より早い時期に仕事を任せられて、自分の裁量で仕事を進める機会も増えてきます。
第二新卒は新卒より厳しい目にさらされていることを自覚し、周囲からの信頼を早く勝ち取り、より大きく責任ある仕事を任せてもらうチャンスを広げてください。
転職の経験が生かせる場面、邪魔になる場面とは?
第二新卒は、短期間とはいえ別の会社で働いた経験があるため、新しい職場と以前の会社を自分の中で比較できます。
すぐに否定せず経験を生かして考える
以前の職場では重要だった業務が、新しい職場ではそれほど重要視されていないとすれば、そこには何か理由があるはずです。
「おかしい」「変だ」と決めつけずに、「なぜだろう?」「何か理由があるはずだ」と好奇心を持って考えることで、仕事をより深く客観的にとらえられるようになり、仕事に奥行きが生まれます。
転職前のマインドセットが邪魔になる場合もある
反対に、新卒からずっと同じ会社に勤めている人が多い職場では、転職の経験がかえって邪魔になることもあります。
同じ会社で勤め続けている人は、無意識のうちにそこでのルールや習慣が「どこの会社でも同じようなもの」と考えています。そして、そのルールや習慣から外れた人のことを「非常識な人」と感じたり、「奇妙なことをする人」ととらえたりするものです。
第二新卒で転職する先が、平均勤続年数が比較的長い職場の場合は特に注意が必要です。新しい職場のやり方が非効率的に思えたり、ムダな作業と思えることもあるかもしれません。
しかし、まずは新しい職場のルールや習慣を理解し、いったん受け入れることから始めるようにしましょう。
まとめ
第二新卒が他者と比較される中途採用という背景を忘れず、積極的に動きながら組織に馴染もうとする姿勢が大切です。
明るさと積極性は武器ですが、やはり場の空気を読み取る力も必要といえます。ポジティブな志向を持ちながら、自身と組織のマインドセットをしっかりすりあわせていきましょう。