面接で多い「性格(長所・短所)」に関する質問は、自己アピールの最大のチャンスです。
しかし、自分の性格を説明するのは意外と難しいことで、採用側への伝え方や話すべきポイントの整理でつまずく方は少なくないのでは?
今回は面接官が聞きたいポイント、自分の性格を伝えるコツ、実際の例文の順でお話ししていきます。
この記事の目次
面接官が性格(長所・短所)の質問に求めていること
社会人経験のある第二新卒の場合は、前職または現職における「人格」「スキル」を求められていることを意識しておく必要があります。採用側は長所、短所の話を通して、自社で活躍する人材か否かを判断したいからです。
前職・現職で得た経験
もちろん第二新卒も社会に出て数年なわけですから、ベテランの中途採用ほど即戦力となる手札は持っていないはずですし、採用側も高いスキルは期待していません。
しかし、最初の職場で得たものが無いように見えると少々印象が悪いこと、また、転職理由や志望理由など他の話題につなげやすいことも考慮して、「現職・前職における自分」を簡潔に表現できる状態が理想です。
自己分析ができているか
長所、短所は、いずれも自分を客観視していないと説明できません。自身を客観視できていれば今後の課題が自然とわかるので、適切な自己分析は成長にもつながります。
逆を言えば、「私に短所はありません」という過大評価も、「私に得意分野はありません……」という過小評価も成長の妨げになるわけです。
【面接で話す「長所」の考え方】メイン要素は、この3つの中から選ぶ
自分の性格は自分が一番理解しているはずですが、文章化すると途端に混乱してしまう方が多いのではないでしょうか。
そもそも性格というものは、生来の気質とたくさんの経験を経て形成された複雑なものであり、数分ですべてを伝えられるほど単純なものではありません。
だからこそ、面接で自分の性格を簡潔に説明するためには「何を伝えたいか(コンセプト)」を明確にしてから文章化に着手しましょう。
「何を伝えたいか(コンセプト)」については、以下のような“採用側が聞きたいこと”に絞るように心がけてみてください。
- 組織に好影響なスキル
- 専門的なスキルや資格
- 職種、環境に関係なく役立つスキル
1.組織に好影響なスキル(一般的なPR)
組織の中での機能を指したスキルで、「人柄」というニュアンスに近いですね。新卒採用の際はこの項目をメインに話される方が圧倒的に多いかと思います。
2.専門的なスキルや資格(同業種に効果的)
既に習得している技術なので、同業種への転職では特に「即戦力」という印象が持たれやすいでしょう。また他業種への転職、例えばWEBメディア業界から出版業界という場合も、志望先がWEBの強化を望んでいるタイミングであればメリットとなり得ます。
3. 職種、環境に関係なく役立つスキル(転職に最重要)
厚生労働省が提唱しているポータブルスキルのうち「仕事のしかた」「人との関わりかた」に当たるもので、名前の通り“どんな職種でも通用する汎用性の高い能力”を指しています。
面接で「長所」を聞かれた際の回答例
長所の回答例①「聞き上手」
細やかなヒアリングを心がけたことにより、対応や提案に高いご評価をいただくことも非常に多かったと自負しております。
長所の回答例②「トレンドに敏感」
その結果、顧客から情報交換のために連絡がくることが多くなり、それに並行して仕事の紹介を頂く機会にも恵まれておりました。
長所のNG回答例
・単調な作業も苦にならない性格です。
→第二新卒に求められるのは作業リソースではないため、別の視点から考えてみましょう。
・社交的な性格で、誰ともすぐ仲良くなれます。
→長所ではありますが、ビジネス面で残した結果を補足しましょう。
【面接で話す「短所」の考え方】重要なのは「成長の可能性」
短所は自分の弱点であり、採用側には伝えたくない内容ですよね。
しかし、最初にお話ししたように、採用側が応募者の長所、短所から得たい情報は「自己分析能力」と「成長の可能性」です。
自覚している短所は今後克服する(または直接的にカバーできる他の能力がある)ことを前提に話すことができれば、何も問題はありません。
話すべきでない短所とは
基本的に「人と接するのが苦手」「ネガティブ」といった性格的な弱点は、克服が難しいため控えるべきでしょう。面接で話すべき短所は、あくまで“キャリア面で未成長の部分”と考えてください。
志望先が求める人材(スキルなど)をリサーチし、その人物上に近づく上で自分に足りないものを想像すれば、自然と弱点が見えてきます。
その中で優先順位の高いものをピックアップしましょう。
短所は「対策」とセットで話す
面接では、あなたの弱点だけを話すのではなく、それに対して自身がどのような対策・改善に取り組んでいるかまで伝える必要があります。
ここまで話せてはじめて“入社後の成長”を相手に想像させることができます。
「長所が短所でもある」は便利だが避けるべき
長所と短所が同じ、という回答はあまりおすすめできません。
長所の後に「これが短所でもあります」と話すことで自分の欠点を話すリスクは避けられますが、ここまでお話しした“企業に伝えるべきポイント”が伝わらない内容になる可能性があります。
長所なのであれば伸ばすべきであり、短所なら対処すべきである、というシンプルな構造が壊れ、採用側にとって入社後の成長が想像しにくくなります。
面接で「短所」を聞かれた際の回答例
短所の回答例①「抱え込みやすい」
その後は進捗の報告を頻繁するようになり、内容によっては早めに分担することでプロジェクトの進行を効率化できるよう心がけております。
短所の回答例②「心配性」
重要書類の作成は日常的に発生するので、確認箇所や流れを明確にして作業の効率化を徹底し、確認の時間を逆算して余裕を設けるなど、スケジュール管理にも気をつかうようにしております。
短所のNG回答例
・自分の意見をストレートに伝えるので、衝突することがあります
→意見があることは大事ですが、衝突の理由が本当にそこなのか疑念を抱かせてしまう可能性があります。
・ネガティブ思考な一面があり、行動に移るまでに時間がかかることがあります
→「ネガティブ」を「慎重」などに置き換えるなど、ワード選びで内容の印象が大きく変わります。
まとめ
転職希望者の中には、退職時に強いコンプレックスを抱いたことにより、「自分の長所がどうしても思いつかない」と悩む方も少なくありません。
自己分析は決して簡単なことではないので、行き詰まったときは周囲に協力を仰ぐのも一つの方法です。
自分の性格を客観視することは、今後のキャリアプランを考える上でも非常に大切なステップとなるので、是非一度自己分析の機会を検討してみてくださいね。