ZENホールディングスとは?評判/熱海/土石流/社長/歴史など徹底調査!

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編集部
ZENホールディングスとは、建設業界で評判の良い株式会社麦島建設や株式会社ユニホーなどからなる、ZENグループ各社を統括する持株会社です。

最近では熱海で発生した土石流被害との関わりが取り沙汰されて話題になりましたが、実際にどのような関係があったのでしょうか?

ネット上ではまるでZENホールディングスが悪者のように論じる方もいますが、本稿では、ZENホールディングスと熱海土石流との関係性の真実を明らかにしたいと思います。

また、ZENホールディングスの会社としての概要や社長について、歴史までも徹底調査していきます。

ZENホールディングスとは?

ZENホールディングスとは?

ZENホールディングスとは、東京都千代田区五番町10番地に本社を構える純粋持株会社です。ZENグループ各社の株式を所有し、グループを統括する役割を担っています。

グループに属している会社は、株式会社麦島建設、株式会社ユニホー、株式会社ライフポート西洋、株式会社辰、プロップテック株式会社、池田建設株式会社、大成ビルド株式会社、オアフクラブカンパニー、アカデミアカンパニーの9社です。

資本金は5億円、連結売上は748億円(2020年度実績)、グループ全体での社員数は2,121人(2020年12月現在)と、大規模な会社となっています。

中核企業は、建設業の麦島建設、不動産業のユニホーで、グループ全体で手掛けている事業は、建設業、不動産業、生活支援業です。

ZENホールディングス設立の狙い

ZENホールディングスは、2004年に設立されました。

ホールディングス会社とは、グループや傘下企業の株式を所有して大株主になるために、持株会社と呼ばれます。

中核企業の麦島建設やユニホーがグループ各社の株を持ってグループのトップに立てばよいと思う方もいるかも知れませんが、グループのトップとしてのホールディングス会社を設立することで、経営はホールディングス会社が専任し、実際の事業は各グループ会社が集中して行うことができ、経営効率の向上が図れます。

そのほか、決算で損益・貸借対照表・キャッシュフローが明確になったり、事業に応じた人事制度や労働条件により労働環境が改善したり、他業種参入やスケールメリットを求めて買収やM&Aがしやすくなったりと、持株会社には多くのメリットがあります。

ZENホールディングスも、経営戦略や経営基本方針、人財戦略、各社の経営遂行の統括・支援を行うことで、グループ全体で成長していく戦略をとっています。

実際、その戦略は現時点では成功を収めていて、2004年度は551億円だった売上が、2020年度には748億円まで拡大しています。

なお、社名のZENの由来は「禅」にあり、これは暮らしのサービス・建設・不動産が調和し、心豊かな住まいと暮らしが生まれるといった考え方に基づきます。

経営理念

経営理念を紹介する公式ホームページには「ZENグループは地球上で最後まで生き残る企業を目指します。」と壮大な目標が掲げられています。

これは、地球滅亡といった終末論的なことではもちろんなく、2011年3月11日の「東日本大震災」「原発危機」をきっかけに、「東洋思想や文化」「心のありよう」が世界で見直される日が来るのではないかという考えからきています。

その、世界の変化に企業として対応し、経営哲学として「利他・自利」、経営理念として「住まいを通じて一生のおつき合い」と掲げ、「業績・成長」と「日本の復興に役立つ会社」の両方を実現できる企業を目指しています。

その結果として、グローバルな企業へと成長して社会に貢献し「地球上で最後まで生き残る企業になる」ことを叶えるべく、営業活動を行っています。

熱海土石流災害にZENホールディングスが関係している?

土砂災害との関係

熱海土石流災害は多くの被害をもたらしましたが、それ以上に問題視されたのが、土石流を引き起こしたのは発生地点付近で確認されていた盛り土にあるのではないかという疑惑です。

そして、なぜそこにZENホールディングスの名前が出てくるかと言うと、ZENホールディングスの前代表が盛り土があった場所の所有者だったからです。

そこから、まるでZENホールディングスが盛り土に関係があるように好き勝手言うネット上の論人も多かったのですが、実際のところはどうだったのでしょうか。

熱海土石流災害(伊豆山土砂災害)とは

熱海土石流災害(伊豆山土砂災害)とは、2021年(令和3年)7月3日に発生した土砂災害のことです。

長く記録的な雨が降り続き、48時間で321 mmの降水量を記録し、熱海で7月に観測された中では過去最多の降雨量でした。
そして、大雨により地滑りが発生し、やがて土砂や倒木などを含む大規模な土石流となって熱海の街を襲いました。

被害は、全壊・半壊の家屋128棟、人的被害は20名近くの死亡者(未だに行方不明の方も多数)となりました。

熱海土石流災害とZENホールディングスの関係性

これが自然の地形で発生したものならば、その責任を誰かに負わせるのは難しいですが、今回は土砂崩れの発生地点付近に人為的な盛り土があったことが注目を集めることになりました。

盛り土が土砂災害の原因なのか、それとも盛り土がなくても土砂崩れは発生していたのか、これは災害の規模が大きいだけに因果関係を明確にするのは難しいと思われます。

しかし、多くの犠牲者が出た災害に対しその落とし所を求めて“犯人探し”が始まってしまいました。
ネット上ではまるで土地の所有者の元代表を犯罪者のように扱い、勝手にZENホールディングスも関係があるかのように論じる自称事情通まで現れました。

しかし、多くの検証や実際に警察等が動き、時間がたった今、ZENホールディングスが盛り土を行ったという事実はなく、家宅捜索を受けたり、裁判の対象になったりということもありません。

あくまで、盛り土があった土地は元代表が個人で所有していたものであり、ZENホールディングスとの関係性はないと言えるでしょう。

ZENホールディングスが評判を積み上げてきた歴史

ZENホールディングス
編集部
ZENホールディングスは持株会社として2004年に設立されていますが、その歴史は中核会社の麦島建設の歴史に遡ることができます。

ここでは、麦島建設の創業から、ZENホールディングスの現在まで、歴史を紹介していきます。

創業からM&Aグループ化推進まで

麦島建設は、1958年に名古屋で立ち上げられています。
建設会社として日本で初めての共同住宅を開発し、麦島式アパートと呼ばれるほどの住宅業界に革新を起こし、開発力、技術力には定評のある会社です。

その後、1972年にはユニホーを設立し、管理業務と分譲業務を任せる形になります。
家を建てる建設業が麦島建設、そして不動産業を担うのがユニホーという2頭体制はこの時に始まりました。

1984年にはマンション管理を行うライフポート西洋が営業を開始し、1999年には辰建設を精算して株式会社辰を設立しています。

1999年から2001年にはユニホーがM&Aグループ化を推進することになり、建設業を中心に、グループ化のメリットを最大限に活かす構想がすでに生まれていました。

M&Aグループ化推進からZENホールディングス設立まで

M&Aグループ化の推進を明確にしてからは、積極的に買収や出資に動きます。

2000年には東京管理センター、西洋ハウジング、西洋コミュニティの株式を100%取得します。
さらにタケダサービスに出資して、健康スポーツ事業、毎日スポーツ企画の事業を引き受けます。

2001年にはライフポート(現オアフクラブ)を設立し、満を持して2004年に株式移転を行い、純粋持株会社の株式会社ZENホールディングスを設立します。

ZENホールディングス設立から現在まで

ZENホールディングス設立後は2011年に池田建設株式会社と資本業務提携を結んでグループに迎え、2016年には大成住宅株式会社がユニホーと資本提携してグループ入りします。

そして直近では2018年にプロップテック株式会社を設立し、太陽光発電事業にも取り組んでいます。

ZENホールディングスグループが展開する事業内容

ZENホールディングスのグループ会社一覧
編集部
ZENホールディングスグループは建設業を中心とした企業グループです。

それぞれの会社が得意とする事業分野があるので、ここで各会社の事業内容について紹介していきます。

中核企業として建設業を手掛ける株式会社麦島建設

株式会社麦島建設はZENホールディングスのベースになった会社です。

創業事業の建設業で成長してきた会社で、現在はただ家を建てるだけの建設会社ではなく、総合建設業(ゼネラルコントラクター)として、建築の企画(コンサル)に始まり、建設計画や設計、施工、そして建物が完成した後のメンテナンスや管理、補修、リニューアル、耐震補強、建物コンバージョンといったリフォームまでを取り扱っています。

不動産分野を一手に担う株式会社ユニホー

株式会社ユニホーは麦島建設の管理業務や分譲業務を担う会社として設立されました。
そして今ではグループ内で不動産分野を扱うエキスパートとなっています。

マンションブランド「ユニーブル」などを持ち、売上は約320億円もあり、中核企業の一つとしてZENグループを支えます。

快適な暮らしを提供する株式会社ライフポート西洋

株式会社ライフポート西洋はマンション管理を事業とする会社です。

マンションは建てて売るだけでは終わりではなく、そこに暮らす人々の暮らしをより快適にするためのマンション管理業務が必須です。
ライフポート西洋では、建築・設備や清掃、法律、保険などの専門知識を活かし、専門コンサルティングサービスを提供します。

デザイン力に定評のある株式会社辰

株式会社辰はデザインに特化した住宅や共同住宅、オフィス、店舗ビルなどの建築を行います。

特にRC造の建築デザインを得意としており、そのデザイン力は業界内で高く評価されていて、グッドデザイン賞やインターナショナルデザインアワードなどのアワード受賞歴も多くあります。

スポーツクラブの経営などを手掛けるオアフクラブカンパニー

オアフクラブカンパニーは次世代を担う子供たちの「こころとからだ」を育む総合フィットネスクラブを運営します。

レベルの高いスタッフにより、子供の心と身体の両面の健康を保ちます。

店舗内装デザイン・設計・施工ならアカデミアカンパニー

アカデミアカンパニーはあらゆる分野での「空間創り」を手掛けています。

事業計画のサポートから調査・分析、コンセプト立案などの企画領域、デザイン、設計、生産、物流、施工までが彼らの得意分野となっています。

伝統建築や官公庁建築に強い池田建設株式会社

池田建設株式会社は社会に貢献する、堅実で柔軟な建築を得意としています。

その技術力はオンリーワンに近く、日本の名刹、奈良薬師寺の白凰伽藍堂復興工事や玄奘三蔵院伽藍堂新築工事の施工を請け負いました。
また、大学校舎や首都高速、老人ホームなど公的な施設の建設も請け負います。

リフォームに強い大成ビルド株式会社

大成ビルドはリフォーム業を強みとしています。

今までの暮らしを守り、そして快適さをさらにアップさせるような、ユーザーの要望に合った住まいづくりができる会社です。

金融とITで暮らしにイノベーションをもたらすプロップテック株式会社

プロップテック株式会社はZENホールディングスグループが培った各事業のノウハウを新たなドメインに展開するために設立されました。

太陽光事業や公共団体が所有するアセットの新たなる活用、クラウド等のフィンテック技術を用いた新たなる投資の機会創出などに取り組みます。

ZEN CLUBについて

ZEN CLUBについて

ZEN CLUBはZENホールディングスが発行する会報誌です。

不動産や建設に関わる最新情報などの紹介や、ZENグループの各社が手掛けた施工実績などを掲載しています。
その他、全国各地のZENグループ社員がおすすめする地元の手土産の紹介など、様々な内容を紹介しています。

松瀬賢亮社長について

松瀬賢亮社長について

松瀬賢亮社長はわずか38歳の若さで2020年にZENホールディングスの代表取締役に就任した俊英です。

2005年にユニホーに入社し、分譲事業部に配属され、緑営業所の所長を経て、PPP/PFI推進室 室長、プロジェクト推進課 課長と順調に出世してきました。

ZENホールディングスの社長に抜擢されたのは、官民連携事業のPPP(Public Private Partnership:パブリック・プライベート・パートナーシップ)で大きな成功を収めたからです。

強力なリーダーシップを発揮し、グループの経営を担う人物としてふさわしいと周囲も納得の人事でした。

採用情報

採用情報
編集部
ZENホールディングスはその年の状況、事業の展開に応じて新卒採用や中途採用を行っています。

ここでは、採用活動や求める人物像、福利厚生、想定年収といった、ZENホールディングスで働くことを検討する人にとって、欲しい情報をまとめています。

採用活動

ZENホールディングスは2004年の設立から20年近くたち、第二創生期を迎えています。

今後、事業を拡大し更にZENグループを成長させ、上場という大目標を果たすためにも、「住まいを通じて一生のお付き合い」というコンセプトに共感して一緒に働ける人材を募集しています。

求める人物像

過去の中途採用では内部監査、連結決算担当、総務人事、経理の4つの職種を募集していました。

求める人物像は、各職種において異なり、例えば連結決算担当では「公開企業レベルの決算/連結決算/開示ができる方」、経理では「幅広い業務に取り組む主体性・積極性のある方」となっています。

福利厚生・想定年収

編集部
福利厚生は4職種共通で以下の通りです。
【福利厚生・諸手当】
  • 通勤手当
  • 退職金制度
  • 社員旅行
  • 保養施設(篠島・熱海・箱根・軽井沢)
  • 企業年金制度、確定拠出型年金制度
  • 従業員持株会制度
  • 財形貯蓄制度
  • 共済会制度
【想定年収】
  • 内部監査:476~726万円
  • 連結決算担当:460~800万円
  • 総務人事:476~726万円
  • 経理:330~600万円

募集要項

編集部
過去の募集要項の一例として内部監査の募集要項を紹介します。
職種内部監査
雇用形態正社員
年齢不問
勤務地東京都千代田区
勤務時間08:00~17:00
給与想定年収:476~726万円
休日・休暇慶弔休暇、年末年始、夏期休暇、有給休暇

まとめ

編集部
以上が熱海の土石流との関連が噂されたZENホールディングスについて徹底調査した結果です。

会社としては熱海の土石流とは全く関係がなく、潔白であると言えるでしょう。

また、建設会社の持株会社として、売上は2020年度実績で748億円を記録し、上場という目標に向かって邁進しています。

会社として怪しいような部分がなく、建設会社グループとしての評判も良いので、ZENホールディングスのグループ企業での施工を検討されている方や、ZENホールディングスへの就職を検討している方は安心してください。

会社概要

名称株式会社ZENホールディングス
本社所在地東京都千代田区五番町10番地 五番町KUビル1階
設立2004年1月5日
代表者代表取締役社長 松瀬賢亮
資本金5億円
グループ人員2,121人(2020年12月時点)
事業内容次の事業を営むグループ会社の株式を所有する純粋持株会社
グループの経営戦略、経営基本方針、人財戦略および各社の経営遂行の統括・支援