乗っ取り疑惑が話題となったプラコーとは
乗っ取り疑惑が話題となったプラコーとは、埼玉県さいたま市に本社を置く、東証スタンダード上場企業です。埼玉の本社・工場、東京オフィス、名古屋支店、大阪支店、九州営業所を構え、プラスチック成形機やリサイクル機器などを中心に製造販売を行っています。
製品の中でも、ブロー成形機とインフレーションフィルム成形機は業界トップレベルのポジションを築いており、高い技術力と品質を誇ります。
また、プラスチック製品を作る機械メーカーの社会的責任としてリサイクル製品も手掛けるなど、二酸化炭素の排出を削減する取り組みにも力を入れ、埼玉県SDGsパートナーに登録されています。
会社の歴史
プラコーは、プラスチック工業株式会社として1960年に創立され、1962年にはプラスチック貿易株式会社と関口機械工業株式会社を合併し、新たに押出機専門メーカーとして発足します。
そして1972年に株式会社プラコーへ商号を改称し、翌年に日本証券業協会東京地区にて店頭売買銘柄として登録しました。
その後、相次いでシステムを開発、上市し、1997年には国内で初めて、7層インフレーションフィルム成形機を完成させました。
2001年には世界最高水準の性能を誇る押出機「EXZシリーズ」を開発、2007年には日本初のダイレクトドライブ式押出機「DIREXシリーズ」を上市しています。
その他、日本国内外の会社と共同開発や提携し、製品開発を進めてきました。
また、2010年に株式市場の統合によって大阪証券取引所ジャスダックに株式を上場させた後、2013年に東証と大証の現物市場統合に伴って、東京証券取引所ジャスダックに株式上場、2022年には東京証券取引所の市場再編によって、スタンダード市場に移行しました。
古野孝志代表について
古野孝志さんは、2020年11月にプラコーの代表取締役社長に就任した人物です。
九州大学経済学部を卒業した後、新日本製鉄株式会社や日興証券株式会社へと入社し、2001年以降は、エブリデイドットコム株式会社(現阪急キッチンエール)の取締役や株式会社GCIキャピタルの執行役員、スリープログループ株式会社(現ギグワークス株式会社)の副社長を歴任しました。
現在はプラコー代表の他、東京日産コンピュータシステム株式会社の社外取締役、九州大学経済学部東京同窓会の理事を兼任しています。
趣味はゴルフ、俳句、カラオケで、2022年より広報活動の一環として自身のTwitterを開設し、代表自ら情報発信を行っています。
プラコーの事業内容
ブロー成形機
ブロー成形とはプラスチック加工方法の一種で、ブロー成形機は内部が空洞になっているボトルや容器などの成形に適した機械です。
プラコーでは、それまで不可能とされていた多層3次元ブロー成形機や二重深絞り成形機などの技術を確立しました。
ロングセラーを誇る連続押出式ブロー成形機は、各種工業用タンクや加湿器用タンクなどの製造に用いられ、スタンダードでありながらも豊富なオプション装置を使用し、特殊成形にも対応しています。
また、全電動式ブロー成形機は全電動化により、約20%の省エネを実現し、油圧を使わないため工場内を綺麗に保てます。さらに、作業環境にやさしい低騒音化と高い再現性、外気温に影響を受けない安定した成形を実現させています。
インフレーション(フィルム)成形機
インフレーション成形とは押出成形の一種で、プラスチックの袋状フィルムに特化した成形方法です。
プラコーの多層技術は、農業、工業、物流等で使用される製品に必要な機能性樹脂を積層することによって、フィルムの高機能化を実現しています。
高性能押出機では、業界最高水準の高性能と省エネルギーを実現したEXZシリーズとDIREXシリーズを展開し、多機能で環境にやさしい多層オレフィン系フィルムを成形する多層インフレーション成形機も手掛けています。
さらに高性能巻取機、多層インフレーション用のダイ、偏肉制御用エアリング、計測システム、内部冷却装置など、高品質な製品の生産を実現するためのシステムを製造販売し、多種多様なニーズに応えています。
リサイクル機器・環境機器
多様化するリサイクル用途に応え、真の環境型社会を実現するため、プラコーではリサイクル装置もプロデュースしています。
一軸式破砕機の中でもコンパクトで高性能なPSシリーズはベストセラーを誇り、処理能力が高く低騒音の二軸式破砕機や高速粉砕機も提供しています。
また、再生ペレット装置の決定版であるペレタイザーNMMシリーズは、インフレーション成形機とのインライン・アウトラインどちらでも使用可能で、空冷方式の採用により、水の使用量大幅抑制を実現しました。
プラコーでは製品を販売した取引先にて、メンテナンスやアフターサービス業務も提供しています。
技術力と品質の高さが強み
- 高度な品質管理の追求
- 設計及び製造における効率化の追求
- 徹底した経済設計による最適コストの追求
有資格者と特許
プラコーには、1級油圧装置調整技能士やインフレーション成形作業1級プラスチック成形技能士など、多数の有資格者が在籍しており、専門性の高いスキルで高品質の製品を開発・製造しています。
技術と品質に関するプラコーの基本方針や能力の高い技術者によって、これまでに成形機やパリソン搬送装置などで多数の特許を取得しました。
特許は競争力の源となるため今後もさらに増やしていき、産業社会に必要とされる企業を目指して、時代に応じた新たな技術開発や製品開発に取り組むとしています。
プラコーの評判口コミ
残業時間が改善されつつある
昔は残業をしないと帰りづらい雰囲気があったが、制度面含めて徐々に改善されています。
自分で仕事の予定を立てられるため、プライベートの用事で有給も取りやすいと評判でした。
ただ、実際に数年前は定時で帰りにくい雰囲気があったようで、残業に関するネガティブな評判も見受けられています。
やりがいのある仕事
また、プラコーの新人研修はほとんどOJTになるようです。OJTはその人に合ったスピードで業務内容を教えられるだけでなく、職場の人間関係が築けたり教える側にとってもスキルアップにつながったりするメリットがありますが、教える人によっては適切な指導が受けられないというデメリットがあります。
早期成長を目指すなら、自分から質問したり先輩の仕事を見て覚えたりするといった積極的な行動も必要になるかもしれません。
自分に適した業務ができる
また、スキルに応じて徐々に業務範囲を広げていける一方、上司から無理難題を押し付けられることはなく、働きやすい職場となっています。
プラコーの評判口コミまとめ
社員の平均年齢が高いため、若い人は将来的に上層部へのキャリアアップがしやすいのではないかと考えている方もいるようです。
また、昔は多かった残業も徐々に改善されていると評判で、より働きやすい会社へと今後も変わっていくことが予想されます。
創業から60年以上の歴史ある会社で、上場もしていることから経営は安定しており、安心して働けます。
プラコーの株式情報と業績
プラコーは東証スタンダード市場企業で、証券コードは6347、1株当たりの配当金は6.0円(2022年実績)です。決算期は3月末で、株主総会は毎年6月に開催されています。
また、プラコーの過去4年間の業績の一部情報を下表にまとめました。
純資産や自己資本比率が増えていることから、経営は安定していることが分かります。実際に、プラコーは大手企業をはじめ様々な業種の顧客を有しており、景気動向に左右されにくい安定した会社経営を実現させています。
売上高 | 総資産 | 純資産 | 自己資本比率 | |
---|---|---|---|---|
2019年3月期 | 2,990 | 2,900 | 1,086 | 37.5% |
2020年3月期 | 2,952 | 3,106 | 1,343 | 43.2% |
2021年3月期 | 2,714 | 2,308 | 1,282 | 55.5% |
2022年3月期 | 2,719 | 3,199 | 1,749 | 54.5% |
※売上高・総資産・純資産の単位:百万円
求人採用情報
募集職種
新卒採用では電気設計、機械設計を募集しており、キャリア採用では、機械の保守・点検、電気設計、機械設計、製造(機械組立)を募集しています。
機械の保守・点検は顧客からの依頼を受けてプラスチック成形機やリサイクル装置などの保守・点検を行い、電気設計は、主に各機器やシステムの設計業務、電気制御の設計業務を行います。
機械設計は、CADを使用したプラスチック成形機の機械設計業務、製造は各機器やシステムの組立・配管・配線・検査などを行います。
新卒採用はそれぞれの職種に適した専攻で大卒以上、キャリア採用は高等学校卒業以上または高等学校専攻科卒業以上で、職種に関する業務経験が求められます。
また、客先に出向くこともあるため、普通自動車運転免許が必須資格となっています。
応募方法
新卒採用に応募する場合は、応募職種を明記した上で、履歴書と成績証明書、卒業見込証明書を郵送かメールにてプラコーに送ります。
選考は、適性検査があり、一次面接、二次面接をして内定となります。
キャリア採用に応募する場合は、応募職種を明記した上で、履歴書と職務経歴書を郵送かメールにてプラコーに送ります。
専攻は、書類選考の後、一次面接、二次面接をして内定となります。
一次面接はリモート面接の可能性もあるようですので、求人応募の際はプラコーからの連絡をよく確認しましょう。
新卒採用募集要項
詳しい情報はプラコー公式HPをご確認いただくか、プラコーまで直接お問い合わせください。
雇用形態 | 正社員 |
学歴 | 大卒理系(電気関係専攻) |
必要な資格 | 普通自動車運転免許(AT限定可) |
試用期間 | 2ヶ月 |
給与 | 初任給:215,610円 |
昇給 | 有 |
賞与 | 3.5ヶ月/年間(2021年実績) |
休日休暇 | 年間休日125日 |
勤務時間 | 8:30~17:30(休憩60分) |
諸手当 | 通勤手当、住宅手当、家族手当、退職金制度 |
まとめ
一時期乗っ取り疑惑のあったプラコーですが、現在も安定した経営を続け、新しい成形技術の開発に邁進しています。
機械メーカーのため、一般の方にはあまり馴染みのない会社ですが、私たちが普段手にする化粧品の容器やポリ袋などは、プラコーが開発した機械によって作られている物かもしれません。
また、評判や口コミによると、社員の働く環境も年々改善されているとのことでしたので、設計・製造業に興味のある求職者にとってお勧めの会社といえます。
会社概要
社名 | 株式会社プラコー |
本社所在地 | 〒339-8558 埼玉県さいたま市岩槻区笹久保新田550番地 |
設立 | 1960年 |
代表取締役 | 古野 孝志 |
資本金 | 7億475万円(2021年5月末現在) |
事業内容 | プラスチック成形機・リサイクル装置製造販売 |
従業員数 | 80名 |
本社・工場 | 敷地面積9,727㎡/建物面積3,950㎡
【組立工場4棟】 【加工工場1棟】 【事務棟1棟】 |
許可 | 機械器具設置工事業 国土交通大臣 許可(般-1)第27466号 古物商許可証 埼玉県公安委員会 第431250055548号 |
業績の安定した上場企業で、プラコーで働く社員からは年々働きやすくなっていると口コミでも評判となっています。
現在は、乗っ取りが噂された2020年に代表就任した古野孝志さんを筆頭に、一般の方への知名度を上げるため、SNSでの広報活動も行っています。
本稿では、乗っ取り疑惑で噂になったプラコーの会社の歴史、事業内容、強み、評判口コミ、業績、求人採用情報について調査しました。
プラコーの業績について気になる株主の方や、機械メーカーへの就職を考える求職者にとって有益な情報となっています。