「災害級の暑さ」といわれてる2024年の夏。命の危険にかかわる熱中症の対策方法の1つとして欠かせないのが水分補給です。
街のいたる所で目にする飲料自動販売機は、手軽かつスピーディに飲料を購入することができる画期的なマシン。
私たちの日常に当たり前に存在する自動販売機ですが、じつは屋外に設置しているのは日本だけです。
治安が良い日本は自動販売機の普及率が非常に高く、アメリカに次いで世界第2位、人口比率でいうと第1位といわれています。
※当コンテンツはアフィリエイト等を目的として、試供品または取材費をいただいて記事を掲載しています。
この記事の目次
ベンディングカー(ボトルカー)とは?
日本に自動販売機が普及した背景には、治安の良さはもちろんのこと、自販機オペレーター事業、ベンディング事業の発展にあります。
自販機オペレーターとは、自動販売機の商品の補充や代金回収、メンテナンスや空き容器の回収、清掃などの業務を行う事業者のことです。
担当地域のルートを周り、自動販売機を適切に管理しています。
そんな自販機オペレーター、ベンディングサービスの運用に必須といえるのが、ベンディングカー(ボトルカー)です。
ベンディングカー(ボトルカー)とは、缶やペットボトル飲料などを運搬するための専用車で、荷台は缶とペットボトルの区別がしやすいように仕切られています。また、商品をスムーズに積み下ろしするためのスライドドアや廃物入れ、金庫などが設置されていることも特徴といえるでしょう。
ベンディングカー(ボトルカー)には、オートマ車とマニュアル車があり、メーカーによりますが「標準」「ロング」「セミロング」「超ロング」など、地域やルート、運搬量に合わせて選択できるよう、さまざまなサイズ・シリーズが展開されています。
ベンディングカー(ボトルカー)の人気車種をチェック
ベンディングカーとして利用されている小型トラックは、さまざまな自動車・車体メーカーが製造しています。
大手メーカーが販売している代表的な車種は以下となります。
いすゞ自動車「エルフ」
トラックやバスなど、商用車の製造・販売を手掛けるいすゞ自動車が製造する小型トラック「エルフ」。
その誕生は1959年と、時代とともに進化を続けてきたベストセラートラックです。エルフのコンセプトは「最も効率よく荷物を運ぶ」。
コンセプト通りの高性能トラックであるエルフは、日本国内におけるシェアNo.1を誇っています。
(国内2-3トン積クラスキャブオーバー型トラック市場、日本自動車販売協会連合会及びいすゞ調べ)
日野自動車「デュトロ」
「トン・トン・トン・トン・ヒノノニトン♪」というCMソングが記憶に新しい人も多いはず。日野自動車が製造する「デュトロ」は「ヒノノニトン」のキャッチフレーズでお馴染みの小型トラックです。
2003年には、独自開発したハイブリッドシステムとPM(粒子状物質)除去装置DPRを組み合わせた「デュトロ・ハイブリッド」を発表しました。
小型トラックとして世界初のハイブリッド車に注目があつまりました。
トヨタ自動車「ダイナ」
日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車が販売する「ダイナ」。
名前の由来である「Dynamic(ダイナミック)」という名の通り、力強い走りと小型トラックならではの小回りの良さ、そしてラインナップの豊富さが魅力です。また、ガソリンエンジンを選択できる点も強みといえるでしょう。
ダイナの1トンシリーズには、ガソリンエンジンを搭載したモデルがあり、普通免許での運転が可能です。
ベンディングカー(ボトルカー)の新車・中古価格は?
ベンディングカーは特装車であり、ベンディング事業者や架装メーカーが事業に適したカスタマイズをするため、値段には幅があります。
公式サイトで価格を公開しているトヨタ自動車の「ダイナ カーゴ」の新車の値段は以下となります。
- 1.0tonシリーズ シングルキャブ ディーゼル車…4,175,000円(税込)
- 2.0tonシリーズ シングルキャブ 標準キャブ ディーゼルハイブリッド車 標準デッキ…5,797,000円(税込)
- 2.0tonシリーズ シングルキャブ ワイドキャブ ディーゼルハイブリッド車 ロングデッキ…6,292,000円(税込)
※2024年8月時点
これらは、特装していないノーマルな状態での価格であるため、特装・架装したベンディングカーの新車価格は500万円〜1,000万円ほどであると推測できます。
もしも、新たにベンディングサービスを始める際に予算を抑えたいのであれば、中古車が良いでしょう。
というのも、前述した通り、自動販売機のトップシェアは日本であり、諸外国では治安の問題で自動販売機はそれほど普及していません。
そのため、海外でのベンディングカーの需要は低く、国内で比較的安価で取引されています。
中古車情報サイトでは、100万円〜300万円前後で販売されています。
ベンディング事業を展開する注目企業3選
ベンディングカー、ボトルカーを活用し、ベンディング事業を展開する企業とは?
今後さらに飛躍が期待される注目企業をピックアップしました。
アサヒフード株式会社
アサヒフードは、創業者である関 茂氏が手作りのおにぎりを工事現場で販売したことがはじまりです。
1987年に創業され、現在は大規模工事現場や大型施設、物流センターの売店、食堂や宿舎の運営を行っています。
ベンディング事業では、飲料自動販売機、フード自動販売機のほか、コロナ禍には大手コンビニ商品を24時間提供する自動販売機「mujicon(ムジコン)」を開発するなど、時代のニーズをキャッチした画期的なサービスを展開しています。
社名 | アサヒフード株式会社 |
本社所在地 | 〒105-0004 東京都港区新橋4-5-1 アーバン新橋ビル5階 |
代表者 | 代表取締役 関 茂 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員数 | 80名(パート含む) |
公式サイト | http://www.asahifood.biz/ |
ナショナル・ベンディング株式会社
ナショナル・ベンディング株式会社は、1963年の創業以来、60年以上に渡りベンディング事業を展開しています。日本で初めて紙カップ式自販機のオペレートをスタートした企業です。
飲料メーカーに属さない独立系オペレーターである同社は、メーカーをミックスした混合機はもちろん、ミル挽きのコーヒーなどが楽しめる自社オリジナルの自販機や商品など豊富なラインナップを取り揃えています。
これまでの経験と実績を生かした多彩な商品展開と顧客に寄り添ったきめ細やかなサービスが魅力です。ベンディング事業のほか、無人経営が可能なコインランドリー事業も行っています。
社名 | ナショナル・ベンディング株式会社 |
本社所在地 | 〒141-0021 東京都品川区上大崎1-15-22 |
代表者 | 代表取締役社長 藤山 雄一郎 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員数 | 350名 |
公式サイト | https://national-vending.jp/ |
名鉄協商株式会社
名鉄グループの中核である名鉄協商株式会社は、不動産事業やパーキング事業、モビリティ事業など、街づくりのための多彩な事業を展開しています。
同社のベンディング事業は、1台の飲料自販機で複数のメーカーを混合して取り扱う、混合機にも対応。顧客の要望やニーズに合わせた提案を得意としています。
社名 | 名鉄協商株式会社 |
本社所在地 | 〒450-8618 名古屋市中村区名駅南二丁目14番19号 |
代表者 | 代表取締役 小林 昌弘 |
資本金 | 7億2,000万円 |
従業員数 | 321名(2024年4月現在) |
公式サイト | https://www.mkyosho.co.jp/ |
まとめ
ベンディングカーの用途や人気車種、価格やベンディング事業、自販機オペレーター業を展開する企業についてまとめました。
夏は冷たく、冬は暖かい飲み物を手軽にいつでも購入できる自動販売機。
人と対面せずに商品を購入できる自動販売機は、新型コロナウイルス感染症の流行以降、冷凍食品やスイーツなどを販売する「次世代自販機」が増加するなど、新たなビジネスチャンスとして注目されています。
今後、さらなる盛り上がりが期待される自販機業界。業務に欠かせないベンディングカーやオペレーション業者選びがビジネスの成功のカギといえるのかもしれません。
今回は、飲料自動販売機に欠かせないベンディングカー(ボトルカー)の用途や人気車種、価格やベンディング事業、自販機オペレーター業を展開する企業について紹介します。