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浦崎忠雄とは
浦崎忠雄さんとは、医療関連事業を執り行うメハーゲングループを創業した人物です。
若い頃から医療業界に入り、日本の医療の良いところ、悪いところを熟知し、特に遅れていた医療の後方支援、医療IT分野の発展に貢献してきました。
また、最初は1社だけだった会社を9社からなるグループ企業に育て上げた経営手腕が評価される実業家・企業家でもあります。
現在はメハーゲングループの中核企業の代表などを努め、さらなる医療改革を目指して活動しています。
プロフィール
- 名前:浦崎忠雄(うらさき ただお)
- 年齢:66歳(2022年現在)
- 現職:メハーゲングループ代表
- 趣味:囲碁
浦崎忠雄の経歴
浦崎忠雄さんは大学を卒業するとすぐに医療業界に就職します。
最初は医療機器輸出関連企業、次は医療機器製造会社、その次も医療機器輸入商社と、長期にわたって医療関連の会社で働き続け、様々な角度から日本の医療業界を見た結果、世界的に優れている点、劣っている点といった日本医療の課題を認識します。
そして30代後半で独立を決意し、1992年(平成4年)に高度医療器械販売業と医療用IT開発の会社を起業します。
特に重要視したのは医療の後方支援と医療ITという日本が劣っていた分野で、医療機器の動画配信システムや医療用のITソリューション、病院内外のデータ管理システムなどを開発していきました。
関連会社も医療情報処理(医療IT・医療データ)、医療機器開発、商社などと医療関連の会社を立て続けに複数立ち上げ、メハーゲングループは医療特化の企業グループとして機能することになります。
浦崎忠雄が創業したメハーゲングループとは
メハーゲングループは、先端医療機器の専門商社として、循環器科、整形外科、脳神経外科、消化器外科等での活動を続ける他、医療のITソリューションにいち早く着目して、さまざまな医療用ソフトウェアを手掛けている会社です。
ここでは、メハーゲンという社名に込められた願い、そして事業内容について紹介します。
医療改革を意味する社名
メハーゲンという社名はオランダ語の「Medisch Hervomingen」からきています。
Medischは医療、Hervomingenは改革という意味で、2つを合わせて日本人でも読みやすいように略語化したのがメハーゲンという名前です。
日本は、医療技術では世界トップクラスなのにもかかわらず、医療のIT化などでは大きな遅れがあり、そういった部分を改革したいという思いから名付けられた社名です。
医療業界に特化した事業内容
メハーゲングループの9社は各社が医療分野に特化していて、それぞれが強みを持っています。
株式会社メハーゲンは中核企業としてIT医療分野の企画開発や医療機器開発などを手掛け、そのほかの各社も医療ソフトウェア・システム開発、医療ディーラー、治験サポート、医療用品専門通販サイトなどを事業としています。
浦崎忠雄が目指す医療のDX化によるメリット
浦崎忠雄さんは社名をオランダ語から取りましたが、その理由の一つとしてオランダが医療全般のDXで先進国だったからです。
DXとはデジタルトランスフォーメーションの略語で、ビッグデータ(巨大データ群)とIoT(Internet of Things=モノのインターネット)、AI(Artificial Intelligence=人工知能)といった最先端のITテクノロジーを駆使し、業務フローの改善や古いシステムからの脱却を図るものです。簡単に言うと、病院での受け付けをデジタル化して、待たずに診察ができるようなシステムがあげられます。
また、電子カルテの導入が推進されれば医療現場の作業効率化が実現し、オンライン診察が普及すると医療従事者・患者さんともに移動時間やその他コストなどが大幅に削減して医療体験が向上します。
そのほかにも、医療現場でのデータ連携による有効活用(患者の病歴や治療歴の共有など)、スマホで健康情報や医療情報をチェック、新しい診断法や治療法の開発など、医療のDX化には大きなメリットがあります。
日本の医療は優れているのにDXが進まない理由
日本の医療は世界トップクラス
日本では、国民皆保険制度により低価格で容易に医療が受けられるため、日本の医療は世界トップレベルだと考えている方が多くいらっしゃいます。
その考えは、ある意味では正解で、ある意味では不正解です。
日本の医療を総合的に見ると、著名な医学誌が世界195カ国中で12位にランキングするほど優れています。
これは、「適切な医療により、防ぎ得る死をどれぐらい防げているか」ということを指数化したもので、日本の医療技術や医療制度の素晴らしさを表しています。
実際に日本人の平均寿命はWHO(世界保健機関)・UNFPA(国連人口基金)が発表した2022年のデータで男性・女性ともに平均寿命は世界1位でした。
日本の医療現場のDXが進まない理由
日本の医療が優れている一方、日本の医療現場のDXが遅れている事例としてよくとりあげられるのが、病院の待合室での待ち時間です。
朝一番に紙の診察券を出して順番をとり、診察時間になったらまた病院にやってきて診察を受け、そのあとは長い時間待合室で待ってからお薬を受け取って会計をする、というような無駄が長きにわたって繰り返されてきました。
これは、病院のデジタル化が遅れていることが理由で、北欧などを見てみると、オンラインで診察時間を予約して当日その時間に行けばすぐに診察が受けられて、会計もオンライン上で済ませてすぐに帰宅できます。
また、医療精密機器では、CTやMRIなどで病巣を見るハイクラスの技術はありましたが、そのデータが電子カルテと連動していないために閲覧が簡単ではありませんでした。
これは、医療機器メーカーのIT意識の低さからくるもので、医療精密機器としての機能は優れていてもデータ管理という視点が全く無いために、データ共有という部分がすっぽり抜け落ちているのです。
もう1点大きな問題として、企業間の権益問題があり、データ共有により利害が相反する場合にDX化やIT化が遅々として進まないことがあります。
このような無駄をなくすためにも、病院のデジタル化、医療業界全体へのITソリューションの不朽をメハーゲングループは推進しているのです。
AIによる心電図の解析を研究中
浦崎忠雄さんとメハーゲングループが今取り組んでいるのは、AIによる心電図の解析です。
新開発のクラウド型12誘導心電図伝送システム「SCUNA」(スクナ)は、バイタルデータ共有システムです。
仕組みは、救急車の中で救急隊員が心電図をとり、そのデータをモバイルネットワーク経由で専用のクラウドサーバーにアップロードし、同時に医師に連絡が届きます。
これにより、病院内にいる医師(循環器専門医、救急専門医、脳卒中専門医など)はどこにいてもスマートフォンやタブレット端末、パソコンなどを使ってクラウド上のデータにアクセスし、心電図を確認できます。
このシステムのお陰で、救急搬送中でも病院内から心筋梗塞を見つける波形の動き(ST)を確認することができ、事前に受け入れ判断や手術の準備を行うことで、緊急治療の準備に要する時間を20~30分短縮できることが実証されています。
まとめ
特にDXでの医療の課題解決に心血を注いでいて、クラウド型12誘導心電図伝送システム「SCUNA」(スクナ)や経営支援システム、SPD(院内物流管理システム)といったITソリューションを医療業界にもたらし、大きな成果をあげています。
近年では、浦崎忠雄さんのメハーゲングループと医師との連携による研究開発も盛んになっていて、産学連携から社会実装という素晴らしい流れもできあがっています。
これからも、医療分野のDXを進めるためにリアルタイムで様々な研究を推進し、新しいデータシステムや革新的なインターフェイスなど、様々な新システムの開発に期待が集まります。
会社概要
名称 | メハーゲングループ |
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所在地 | 〒812-0017 福岡市博多区美野島3-17-27-1 3F |
設立 | 平成20年10月 |
代表 | 浦﨑忠雄 |
資本金 | 4億7,000万円(グループ合計) |
従業員数 | 520名(グループ合計) |
営業所 | 青森・宮城・福島・埼玉・東京・千葉・名古屋・大阪・京都・和歌山・神戸・姫路・岡山・広島・ 福岡・北九州・久留米・佐賀・長崎・熊本・ 鹿児島・大分・宮崎・佐世保・沖縄 |
事業内容 | 高度医療機器販売、医療用ソフトウェアの製作販売、 医療機器製造販売、グループの経営戦略、新商品開発、商品販売企画、IT医療分野の企画開発、医療経営分析に係る企画開発、医療機器企画開発、医療情報研究伝達、医療物流システム企画開発、新薬治験の企画開発を担う |
医療業界の課題であるDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進していて、浦崎忠雄さんは医療IT業界では名の知れた存在です。
今回はメハーゲングループを創業した浦崎忠雄さんについて、プロフィールや人物像、経歴をまとめています。
また、メハーゲングループについての情報や日本医療のDX化が進まない理由、現在研究中のAIによる心電図の解析についても掘り下げて紹介します。